TOP INTERVIEW
経営者に聞く

「まちづくり」と地域活性化に貢献するホテル運営【東急ホテルズ&リゾーツ】
東急グループのホテル・リゾート事業子会社を再編し、2023年4月に運営を特化した事業を担う会社として始動した東急ホテルズ&リゾーツ(東京都渋谷区)。これに合わせて東急ホテルズのブランドポートフォリオを再編・拡充し、新カテゴリ「DISTINCTIVE SELECTION」が設けられた。DISTINCTIVE SELECTION は多様化するニーズに応え、より特徴的=DISTINCTIVEなブランドカテゴリを展開しつつ、65 年に及ぶホテル・リゾートの運営実績と「まちづくり」を担ってきた東急グループの一翼を担う会社としての理念を、村井淳社長に聞いた。
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――昨年の振り返り。
村井 特定のエリアや業態に偏ることなく、あらゆる拠点・ブランドを通じて好調な1年でした。主要顧客層である国内客の需要が堅調だったことに加えて、大都市圏を中心にインバウンド需要を順調に取り込み、高単価施策を推進することができました。今年度(2025年3月期)は、当社が運営する店舗の売上高が全体で1000億円に到達することを見込んでいます。
――ブランドの再編を実施した。
村井 東急グループのホテル・リゾート事業子会社を再編し、2023年4月に「東急ホテルズ&リゾーツ」を始動。東急グループのホテル・リゾート事業運営の中核会社として、運営に特化した事業を担っています。
これに合わせて東急ホテルズのブランドポートフォリオを再編・拡充し、従来の「東急ホテル」「エクセルホテル東急」「東急REIホテル」に、会員制滞在型リゾート「東急バケーションズ」を加え、さらに、従来ブランドの枠組みを超える個性を備えたブランドで構成される「DISTINCTIVE SELECTION」という新しいカテゴリを設けました。
DISTINCTIVE SELECTIONは、唯一無二の価値を追求し店舗ごとに個別ブランドを設定する「単独型ブランド」と、複数店舗に展開する「展開型ブランド」に大別されます。前者には、2023年5月に東急歌舞伎町タワー(東京都新宿区)内に開業した「BELLUSTAR TOKYO、A Pan Pacific Hotel」「HOTEL GROOVE SHINJUKU、A PARKROYAL Hotel」などがあり、後者には昨年1月に新規開業したSAPPORO STREAM HOTEL(札幌市中央区)や、2018年開業の渋谷ストリームエクセルホテル東急(東京都渋谷区)をリブランドしたSHIBUYA STREAM HOTELといったライフスタイルホテルブランド「STREAM HOTEL」などがあります。
オペレーター事業に特化する会社となったことで、これまで以上に、利用客とオーナーの双方に対してどのような価値を提供できるかが問われていると考えています。当社が長年培ってきた運営実績とリソースを活かしつつ、多種多様なブランドポートフォリオを展開する戦略を進めています。
――渋谷エリアでは異なるブランドの4ホテルを運営している。
村井 渋谷は東急グループの最重点エリアであると同時に、カルチャー・エンターテインメント・ビジネスの最先端エリアでもあります。ホテル事業においては、各ブランドの特徴・コンセプトを活かした運営を行うことで多様な層へアプローチでき、集中出店による運営効率の向上といった効果も期待できます。
いずれのブランドも〝作って終わり〟ではなく、常に磨き続けることでさらなる価値を創出するものだと捉えています。今後もオペレーターの本業である運営力の強化を図り、マーケティング機能の強化や人事戦略の再構築などを進め、各ブランドの価値向上に取り組みます。
(国際ホテル旅館2025年1月20日号から抜粋)