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世界遺産「佐渡金銀山」にまちごとホテル【NIPPONIA 佐渡相川 金山町】

世界遺産「佐渡金銀山」にまちごとホテル【NIPPONIA 佐渡相川 金山町】

7月18日、佐渡島初の分散型宿泊施設であるNIPPONIA佐渡相川金山町(新潟県佐渡市)が開業した。

今年7月に世界文化遺産に登録された「佐渡金銀山」について、登録への動きを受けて地域主体の取り組みを進めていくために2022年に立ち上げられた相川車座(新潟県佐渡市)が中心となって手掛けたもので、相川町内に多く残る古民家の一部を改修し、4棟7室の客室とした。うち2棟は一棟貸しに対応している。

宿泊メイン棟「清水家」は、佐渡産の陶器・無名異焼の窯元だった建物を改修したもので、佐渡相川の特徴である内蔵造りを活かした「眺蔵」(90㎡)、工房だった場所を改装した「窯」(53㎡) 等、趣の異なる4室を擁する。各部屋とも3名以上の宿泊に対応し、宿泊料金は1室2名利用の場合、1泊一人1万5900円から。

チェックイン手続きは佐渡金銀山ガイダンス施設「きらりうむ佐渡」で行い、町内のOSAKE BAR「BUNZO」でウェルカムドリンクを提供する。また、地元住民が町内を案内するふれあいガイドや伝統芸能の佐渡おけさ体験等、町内施設を活用した各種アクティビティも用意する。

相川町は約400年前に佐渡金銀山が発見されて以来、〝金銀山のお膝元〟として賑わいをみせた。最盛期には4万人から5万人もの人が住んでいたという。相川車座は町の遺構や文化を活かし、100年後も賑わうまちづくりを実践しようと、地域の産業や人と連携して様々な取り組みを行っている。

 

◆宿を起点にして旅行者と町を繋ぐ役割を担う◆

(相川車座 代表 雨宮隆三氏)

佐渡金銀山の資源が枯渇し、鉱山としての役割を終えた後も、相川町を訪れる人はいたが、町内に宿泊施設が無く、宿泊需要を取り込めずにいたことが長年の課題だった。また、佐渡島全体を見ても、観光客の受け入れに必要な施設や設備が十分に整っているとは言い難いところがある。

そこで、既存建物を活かした「まちごとホテル」を企画。食事や体験を機に街歩きを楽しんでもらえるよう、ホテルの機能を町内に分散させた。特に国内旅行者は具体的な滞在プランを計画しないまま佐渡島を訪れる人も多く、そういった方たちに飲食店の紹介や予約、案内等を行い、旅行者と地元店舗を繋ぐことまで取り組んでいる。

世界遺産のニュースが後押しする形で島は賑わいを見せているが、観光客の受け入れ体制がまだ十分とは言えない。この夏はオーダーメイドに近い形で対応してきたが、この経験を今後に生かし、観光客にとって満足度の高い滞在体験を提供したい。

(国際ホテル旅館2024年10月5日号)