TOP INTERVIEW
経営者に聞く

創業当時のベンチャー精神へ「原点回帰」【東横イン】
日本国内で7万2327室を展開し(本紙調査「全国ホテルチェーン国内客室数ランキング」より)、客室数トップを走り続けている東横イン(東京都大田区)。昨年2024年には「おもてなし規格認証」の紺認証を全国333事業所で一斉取得。同認証事務局によれば1企業が一度に取得した事業所数として最多になったという。「全国どこでも安心して泊まれるホテルを追求したい」と語る黒田麻衣子社長に、ビジネスホテルチェーンの草分けとしてさらなる「進化」に挑戦する想いを聞いた。
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――2024年の宿泊業界はインバウンド市場の拡大が追い風となった。
黒田 当社もインバウンド需要は取り込みましたが、それでも宿泊客に占める外国人客比率は10%程度。ビジネスパーソンをはじめとする国内旅行者が主要顧客層であることは変わりません。
10月以降は全国的に稼働率が上昇し、当社の会員制度「東横INNクラブカード」の新規入会も急増しました。今、大都市圏を中心に宿泊料金が高騰し、出張旅費の規定に収まらないケースもあると聞きます。そこに東横INNが対応できているのではと推察しています。
私たちとしてはインバウンドも前向きに受け入れたく、会員制度にも入会してほしいと考えています。外国人旅行者の中には日本国内を周遊する方たちも多いので、全国各地に拠点を持つ東横INNを周遊旅行の拠点に活用してほしいですね。
――御社の宿泊料金の設定に対する考え方は。
黒田 一部で特別日や季節料金を設定していますが、平日ワンプライス、土曜・祝日前ワンプライスの「原則ワンプライス」としています。料金を頻繁に変更するダイナミックプライシングの考え方とは距離を置いています。
私たちの経営理念に、宿泊客に「安心と進化」を提供する、という一文があります。明るく清潔な客室空間、元気な接客、無料の元気朝食サービスなどの要素に加えて、安定的な料金設定も安心感をもたらす重要な要素の一つだと捉えています。近年の各種費用の上昇は転嫁せざるを得ませんが、それでも東京都内でシングル平日1万2000円を上限とします。
(国際ホテル旅館2025年1月5日号から抜粋)
