TOP INTERVIEW
経営者に聞く

ホテル事業を軸に地域創生に貢献【サンフロンティアホテルマネジメント代表取締役社長 柳村一幸氏】
――足元の宿泊需要の動向をどう捉えるか。
柳村 コロナ禍の収束以降、宿泊需要の回復を背景に、月間の売上高が過去最高を更新し続けるなど、好調に推移しています。
一方で、昨年12月以降、中国本土の訪日旅行に一定の落ち込みが見られますが、当社は他の国や地域からの需要を取り込むことでバランスを保っています。特定の国や市場、に依存しないポートフォリオを構築しているため、グループ全体としては安定して好調な運営を続けています。
――御社は都市部だけでなく、地方やリゾート地にも積極的に展開している。その経緯と狙いは何か。
柳村 当初はインバウンド需要の拡大を踏まえて都市部での展開に力を入れていましたが、次の軸として「地域創生」への貢献を明確にしてきました。
サンフロンティア不動産を創業した堀口智顕(サンフロンティア不動産/サンフロンティアホテルマネジメント代表取締役会長)は新潟県・佐渡島の出身で、かつて様々な産業で賑わっていた地元が衰退する様子を目の当たりにし、 「地域を元気にしたい」という強い思いを抱いていました。その上で、ホテル事業を軸に地域経済を支える仕組みが必要だと考え、2017年にサンフロンティア佐渡を立ち上げて地域創生事業をスタートし、周辺事業も含めて地域観光の基盤づくりに取り組んできました。
佐渡で培ったこうしたノウハウは、他地域でも展開できるのではないかとの考えから、近年では地域の魅力を活かした「地域創生型ホテル」への取り組みを強化しています。具体的には自治体と連携協定を締結し、地域振興や活性化に向けて協働する一環としてホテルの開発・出店を進めています。
山形県酒田市では再整備が進むエリアにおいてホテル出店を通じて賑わいや雇用の創出を図るほか、青森県六ヶ所村では村内施設への出張者等の受け皿となる宿泊施設を整備する等、宿泊拠点を必要とする地域への出店に繋げています。
昨年9月に開業したたびのホテル加古川別府駅前(兵庫県加古川市) は、 加古川市と 「災害時における支援協力に関する協定」 (防災協定)を締結しました。地震や台風、大雨等の自然災害が発生、または発生の恐れがある場合に、市の要請に応じて一時避難場所として施設を提供し、生活支援等を行います。災害が激甚化する中、地域の安心・安全に貢献することもホテルが果たすべき重要な役割だと考えています。
(国際ホテル旅館2026年2月5日号から抜粋)
