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経営者に聞く

 日本のホスピタリティ産業を投資で支援【JPiXホスピタリティグループ】

 日本のホスピタリティ産業を投資で支援【JPiXホスピタリティグループ】

日本企業に対する投資・事業経営を行う日本共創プラットフォーム(JPiX、東京都千代田区)は、10月1日、ホスピタリティ産業に特化した中間持株会社「JPiXホスピタリティグループ(JHG)」を設立した。

JHGは宿泊・婚礼等、地域観光の中核を担う分野で、人手不足や事業承継、施設老朽化といった課題に対応する体制を強化する。JPiXが出資する浦島観光ホテル(和歌山県東牟婁郡)、クア・アンド・ホテル(山梨県甲府市)、クレ・ドゥ・レーブ(神戸市中央区)、丸峰観光ホテル(福島県会津若松市)、みちのりホテルズ(岩手県盛岡市)の5社を中核に、今後も投資先を拡大していく方針だ。

代表取締役社長の田中翔氏に聞いた。

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――JPiXは地域経済に根ざした企業への投資や経営支援を行ってきた。

田中 JPiXは産業再生機構の出身者が中心となって2007年に設立した経営共創基盤(IGPI、東京都千代田区)を設立母体とし、地方銀行や金融機関、事業会社の出資を受けながら、地域経済に根差した様々な分野の企業や事業を支援しています。

一般的に投資会社はイグジット(株式公開や売却等)によって利益を得ますが、これに対してJPiXは株式の長期保有または長期投資を前提とし、投資先の生産性・収益性の抜本的な改善や企業価値の持続的向上を支援しています。将来を見据えた長期プロジェクトや人材育成への投資も積極的に行い、必要に応じて当社人材を派遣するハンズオン支援も行っています。

また、投資先企業のブランドや独立性を尊重し、成長を後押しすることもJPiXの特徴の一つです。

代表的な事例として、東日本エリアの公共交通事業者を束ねる「みちのりホールディングス」があります。みちのりHDは傘下グループ内の知見や人材を共有することで、交通系ICカードやリアルタイム運行検索システムの導入、自動運転の実証実験等、単独企業では難しい取り組みを実現させています。こうした取り組みにより、生産性向上やキャッシュフローの改善、地域の利便性向上や賃金上昇といった効果も生み出しています。

 

――10月1日に観光・ホスピタリティ分野の投資・事業経営を担う「JPiXホスピタリティグループ」を設立した。

田中 宿泊施設11施設1748室、料飲婚礼施設13施設1327席を擁します。これらの経営資源を集約・最適化し、収益力とサービス品質の向上を目指します。

観光・ホスピタリティ分野も公共交通と同様に、マーケティングや資材調達、DX推進等、投資負担が大きい等の理由で単独企業には難しい課題が多くあります。そこで、グループ各社の社員と連携して共通課題に取り組む「横串」と、各社の方針を尊重しながら改革を支援する「縦串」の両面で、相乗効果を発揮していきます。

――投資による成果も見え始めている。

田中 2023年2月にJPiXが事業承継したクア・アンド・ホテル(山梨県甲府市)は、約1年で過去最高益を達成。ボーナス増額と6%のベースアップ、定期昇給を含め年間約7.5%の賃上げを実現しました。

――今後の展望は。

田中 全国には、長年にわたり親しまれ、地域経済において重要な役割を担いながら、後継者不足や人手不足等の理由で存続が危ぶまれているホテル・旅館が存在していますが、私たちは、そうした企業にこそ価値向上の可能性が大いにあると考えています。今後も全国の〝良い会社〟を発掘し、事業承継と地域発展を支える取り組みを続けていきます。

 

(国際ホテル旅館2025年11月5日号から抜粋)