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経営者に聞く

「リレント」アパグループと初協業【Unito】

「リレント」アパグループと初協業【Unito】

Unito(ユニット、東京都目黒区)は5月9日、アパグループ(東京都港区)が所有するアパホテル〈東新宿駅前〉(東京都新宿区)の上層階・13階と14階のレジデンスエリア「APA SERVICED RESIDENCE SHINJUKU」で、家賃システム「リレント」を導入した運営を始めた。

リレントはUnitoが独自展開する家賃システム。物件居住者が外泊する日をあらかじめオンラインで申請し、その日数に応じて家賃が減額される。Unitoは申請された日の部屋を宿泊施設として提供する。居住者は家賃を「実際に住んだ日数分」に調整でき、不動産オーナーは賃貸と宿泊を組み合わせたハイブリッド運営が可能になる。

今回リレントを導入したAPA SERVICED RESIDENCE SHINJUKUは12室。約25㎡の1Rから約45㎡のメゾネットまで10タイプを展開し、全居室に家具家電を設置する。水道や電気、通信などのインフラはUnitoが契約する。代表取締役の近藤佑太朗氏に聞いた。

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――「リレント」を企画した経緯は。
近藤 出張が多かった時期に「月の半分しか家に滞在しないのに、毎日家にいる人と同じ家賃を支払うのはもったいない」と感じたことがきっかけでした。

家賃は毎月同じ金額を払うのが当たり前、という固定概念に疑問を持ち、日本で初めて「外泊した分だけ家賃が安くなる」料金システムを思いつきました。家にいない日を当社が宿泊施設として貸し出し、入居者がその分の家賃を節約できる仕組みです。

――第三者が部屋を使うリスクの対策は。

近藤 居住者が外泊する際は、自己所有品を鍵付き収納に保管できます。部屋の貸し出しの前後には運営スタッフが清掃を行うため、宿泊者は通常のホテル同様に宿泊でき、居住者もきれいな状態で部屋に戻ることができます。

――既存宿泊事業との差別化になるポイントは何か。

近藤 リレントを軸に、入居者のライフスタイルに合わせて「住むと泊まる」を融合させた暮らしが可能になります。不動産オーナーにとっては「賃貸と宿泊の二毛作運営」により、シーズンを問わず安定的な高稼働率による収益を最大化したレジデンス経営が実現します。運営もITを活用したプロパティマネジメントのDX化により、予約からチェックイン、清掃管理まで自動化され、手間の少ない運用モデルを構築しています。

多拠点生活や出張が多いビジネスパーソン、初期費用を抑えたい方など、拠点にとらわれず多様なライフスタイルに柔軟に対応できる点が強みです。

――APA SERVICED RESIDENCE SHINJUKUの反響は。

近藤 リリース直後から多くの反響があり、すでに契約も得ています。ビジネスパーソンからの支持が強いアパグループとの協業により、出張が多い人や多拠点で働く人にも、リレントの仕組みを活用し、新しい住まい方を提案できると考えています。

ホテルブランドとして圧倒的な支持を受けるアパブランドのサービスアパートメント「APA SERVICED RESIDENCE SHINJUKU」にリレントを導入して運営する初の試みにより、今まで当社と接点を持つ機会のなかったビジネスパーソンの方にも知っていただけたら幸いです。

 

(国際ホテル旅館2025年6月5日号から抜粋)