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経営者に聞く

ソーシャル&ライフスタイルホテル「lyf渋谷東京」開業【アスコット】

ソーシャル&ライフスタイルホテル「lyf渋谷東京」開業【アスコット】

シンガポール本拠のホスピタリティグループThe Ascott(アスコット、日本運営会社アスコットジャパン・東京都港区)は、12月19日、lyf渋谷東京(東京都渋谷区)を開業した。lyf(ライフ)は2019年に誕生したソーシャル&ライフスタイルホテルで、日本では2021年6月開業の「lyf天神福岡」、2023年11月開業の「lyf銀座東京」に続き、渋谷東京が国内3軒目。Live Your Freedom(自由を生きる)に由来するブランド名の通り、自由でクリエイティブな滞在体験を提供する。

lyf渋谷東京は渋谷駅から徒歩7分、宇田川町のオルガン坂沿いに位置し、館内には客室200室のほか、コワーキングラウンジ「CONNECT」、ソーシャルキッチン「BOND」、ランドリールーム「WASH&HANG」、ジム「BURN」などを備える。

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Cluster lyf Champion(lyf統括支配人)井上絵梨氏

――lyf はどのような宿泊客層を想定しているのか。

井上 年齢や国籍などの一般的な顧客属性よりも、行動パターンや顧客心理といった要素の方が、lyf の顧客層をより明確に捉えられると思います。具体的には旅程や宿泊先を自分で選びたい人、SNSが好きでデジタル技術を積極的に活用している人、SDGs への意識が高い人、思い立ったらすぐに旅に出たい人、などが挙げられます。若い世代向けのホテルブランドという印象を抱かれがちですが、老若男女を問わずご利用いただいており、経営者や教授などの社会的地位がある人もいます。「気負わずに利用できる」「リラックスして過ごせる」などのポジティブな評価を頂いています。

――ホテルを訪れる人々の交流機会の起点になるなど、スタッフが担う役割もユニーク。

井上 lyf Crew(クルー、ホテルスタッフ)は、ホテルを訪れるゲストや地域の方たち、イベントやプロジェクトのパートナーである企業・コミュニティ・アーティストなど、lyf に関わるあらゆる人々の交流を促す役割を担います。それが顧客への押しつけにならないよう、宿泊客が求める過ごし方などを探る洞察力なども含めたコミュニケーション力が求められると思います。lyf のコンセプトの具現化や価値の創出のために、独自の育成プログラムを設定するなど、人材面の取り組みは特に力を入れています。

――拠点拡大を目指している。

井上 lyf は現在、世界24 都市に34 のプロパティを展開しており、2030年までに150軒を目指しています。日本は重点市場の一つで、今後、国内拠点はさらに増えると見込まれます。日本では現在、渋谷東京を含め3ホテルが営業しています。開発形態は新築建物とリブランドの両軸になると思いますが、今年、フィリピン・セブ島にlyf がオープンしたことから、今後はリゾートエリアに展開する可能性があるかもしれません。

(国際ホテル旅館2024年12月20日号)