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経営者に聞く

人手不足時代のホテル・レストラン経営を支えるスチュワードパートナー【CSSホールディングス代表取締役社長CEO 水野克裕氏】

人手不足時代のホテル・レストラン経営を支えるスチュワードパートナー【CSSホールディングス代表取締役社長CEO 水野克裕氏】

スチュワード事業(ホテル・レストランの食器洗浄や厨房の衛生管理)やフードサービス事業、空間演出事業等を展開するCSSホールディングス(東京都中央区)は、2025年9月期連結売上高が194億99百万円で前期比10.6%増、営業利益7億17百万円(同20.4%増)、経常利益7億42百万円(同17.8%増)、当期純利益5億87百万円(同36.8%増)と、いずれも過去最高を記録した。能力開発や生産性追求等による従業員エンゲージメント強化の取り組みを通じて、ホテル・レストラン業界の現場課題を根本から解決するソリューション提供企業への転換を進めている。

 

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食の品質を支えるプロフェッショナル

 

――好調な業績が続く。

水野 2025年9月期は売上・利益ともに過去最高を更新しました。財務体質の強化も進み、計画を達成することができました。

足元の事業環境は順調ではありますが、持続可能性という面においては危機意識も持っています。組織体制や当社事業等、あらゆることで新たな挑戦や試行錯誤を重ねています。

 

――主力のスチュワード事業を担う「セントラルサービスシステム」は、食器洗浄や厨房清掃の管理等を行う。

水野 昨年は新たに15の新たな現場で業務受託を始めました。ホテルのみならず、テーマパーク内レストラン、会員制リゾートや結婚式場、高級福祉施設、総合病院等、多様なホスピタリティの現場を支えています。

40年以上にわたってお客様と培った経験と実績、専門的な知見から、洗浄や清掃をより高い品質で・効率的に行い、安心安全な厨房運営を実現するノウハウを蓄積してきた賜物です。単に食器を洗浄するのではなく、取扱いや管理、あるいは保管環境や作業動線など、包括的な品質管理によってお客様の品質はもとより生産性や持続可能性にトータルに貢献したいと思います。

 

――食は素材や味の良さ、盛り付け等を楽しむことも大事な要素だが、安心・安全であることが大前提にある。特に、味の評価はホテル全体の満足度に直結する重要な要素であり、御社のスチュワード事業や、フードサービス事業の「センダン」による食堂・朝食レストランの運営受託を行うことで、安心安全な食を供給するベースを整えている。

水野 品質を支えるという責任が私たちのプライドであり、従業員にもプロフェッショナル意識を徹底しています。特にサービス産業は人材確保が難しい状況にあるからこそ、これまでにも増して基本に忠実に、立ち振る舞いから日々の業務まで、品格ある行動を根付かせたいと思います。

さらに業界の持続可能性への貢献も重要で、スチュワードにおいては食器やカトラリーの手入れ、什器や設備の保管・メンテナンス状態といった細部への配慮によって、施設資産の長期的な品質維持に貢献します。フードサービスにおいては、地元で生産された食品を積極的に取り入れる地産地消推進などは、ホテルの魅力向上に繋がると同時に、地域経済の維持・永続性にも寄与しています。

 

――ホテルの朝食レストランの場合、味だけではなくコストとのバランスも求められる。

水野 当社グループのセンダンが運営を受託する宿泊主体型ホテルの朝食レストランでは、例えばいろいろな地元酪農家が生産したチーズをいくつか並べて、食べ比べとして提供しています。

ご提供する価値を、美味しいだけではなく、楽しく食べていただく体験を加える「コト」マーケティング的な取り組みは、コストバランスや持続可能性と差別化を両立させる鍵となると考えます。

 

マネジメントを担う人材として

――外国人材の登用にも力を入れている。

水野 慢性的な人材不足は、特に飲食・宿泊・医療・介護の分野で深刻な状況にあります。これを一過性のものではなく、構造的な社会課題として捉え、外国人材や未経験者の即戦力化のために、教育・研修体制の強化、働きやすい職場環境づくりに注力しています。

特に外国人材は、マネジメントを担う人材としての活躍を期待し、マニュアル・評価制度の整備、教育プログラムの充実を進めています。

厚生労働省が普及を進めている「ジョブカード制度」を活用し、評価シートを外国人材向けにアレンジしながら当社業務に即した評価項目を設定、「職務遂行の基本能力」「技能・技術に関する基本的能力および専門的能力」について、76項目を評価・証明する取り組みを特定非営利活動法人SDGsHelloWorkと共創し、彼らのやりがいを高める工夫もしています。

外資系ホテルにおいては、総支配人や総料理長、スチュワードやハウスキーピングの部門マネージャーを外国人の方が務めることが増えており、むしろ英語が堪能な外国人材は、より積極的なコミュニケーションが取れているとの報告も聞きます。

 

――持続可能性を実現するための試みは。

水野 近年、スチュワード分野においては、ホテル様も人材が不足しています。専門的な知識に基づいた調整・交渉や、安全・衛生に関する未然の対策など、高い品質が求められるラグジュアリーホテルにおいて、基準に適うホテル運営をいかに実現するかは今後さらに重要視される状況にあります。

顧客・従業員・社会のそれぞれに価値を提供水野 様々な状況に適応できるプロフェッショナル人材は業界全体で渇望されており、当社もその育成にさらに腐心しています。

また、当社グループは事業活動そのものが業界の社会課題解決に繋がるよう、衛生管理の高度化や安心・安全な食の提供、食品ロス削減等を推進しています。料飲・宴会等の現場を総合的に支えるパートナーとして、お客様・従業員・社会のそれぞれに期待される価値ある仕事を提供し続けるため、変化を恐れず挑戦を続けていきたいと思います。

 

(国際ホテル旅館2026年2月20日号から抜粋)