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経営者に聞く

地域連携とウェルネス、ロッテブランドで滞在価値向上図る【LOTTE HOTELS JAPAN】

地域連携とウェルネス、ロッテブランドで滞在価値向上図る【LOTTE HOTELS JAPAN】

ロッテホールディングス(東京都新宿区)は2月26日、韓国ロッテグループのホテル事業会社であるホテルロッテ(韓国・ソウル)との共同出資による新会社LOTTE HOTELS JAPAN(東京都新宿区)を設立した。今後、日本におけるホテル事業の本格的な拡大を図る。

ロッテグループは現在、ロッテシティホテル錦糸町(東京都墨田区)とロッテアライリゾート(新潟県妙高市)を運営しており、いずれも地域連携やウェルネス、ロッテブランドの強みを活かした施策によって売上や客室単価の向上を実現している。この実績を活かし、新会社は今後10年間で国内20ホテル・約4500室の展開を目指す。

新会社の代表取締役社長を務め、ロッテシティホテル錦糸町およびロッテアライリゾートの運営会社の代表も兼任する福井朋也氏に聞いた。

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――ロッテシティホテル錦糸町とロッテアライリゾートは、いずれも業績が順調に成長している。

福井 2施設とも、全てのスタッフに〝one stage up〟を合言葉に、滞在価値の向上を目指し、知恵と工夫を重ねてきました。

都市部の宿泊主体型ホテルと、マウンテンエリアのリゾートホテルとで業態は異なりますが、いずれも「地域連携」「ウェルネス」「ロッテブランド活用」をキーワードにした施策を推進しました。

 

――具体的には。

福井 ロッテシティホテル錦糸町は2024年にリニューアルを実施し、一部の客室について2室を1室に統合する改装を行いました。これにより、東京スカイツリーを望む客室からの眺望がより開放的になり、居住空間のゆとりも広がり、客室単価の上昇に繋げることができました。

ロビー階のフロントには、地元・錦糸町を拠点とする廣田硝子の江戸切子や、葛飾北斎の絵手本『北斎漫画』にも紹介されている日本伝統の模様・麻の葉模様のデザインを取り入れました。

一方、ロッテアライリゾートは2017年から当社による運営が始まりました。降雪量が豊富で雪質の良さが評価されていましたが、冬季に需要が集中するスノーリゾートから、年間を通じて滞在を楽しめるウェルネスマウンテンリゾートへの進化を図りました。

具体的には、グリーンシーズンに8種類の新アクティビティを導入し、ウェルネス施設を新規開業する等、年間訪問者数の強化を進めています。

 

――そういった施策は、どのように企画しているのか。

福井 最初は私が主導してアイデアを出し、具現化していきましたが、各施設のスタッフにも徐々に浸透し、現在は現場主導で企画・実施する事例も増えています。いずれの施設においても、管理職が全員参加する企画会議を週1回開催し、現場発のアイデアが育まれています。

――ロッテグループとしての強み・ブランド力も活かしていく。

福井 「コアラのマーチ」や「千葉ロッテマリーンズ」といった、ロッテグループが日本で展開するブランド・コンテンツとのコラボレーションに力を入れてきましたが、これ以外にも広く親しまれているコンテンツが多数ありますし、世界規模ではさらに幅広い事業を展開しています。韓国におけるホテル・リゾート事業もラグジュアリーやライフスタイル、レジデンスと幅広いブランドポートフォリオを有しており、今後、日本での拠点拡大を進める上でこれらの実績や資産を活かしていきたいと思います。

既存施設の成功事例やロッテグループのブランド資産をそのまま展開するのではなく、立地環境や業態、特徴に応じてアレンジやバージョンアップを図ることが大切だと考えます。グループの多様な事業とも連携し、相乗効果を発揮したホテル運営を進めます。

 

【ロッテシティホテル錦糸町】

2010年開業。客室189室やレストラン等を備えた宿泊主体型ホテル。2024年に館内リニューアルを実施し、8フロアにわたる客室計24室について2室を1室に統合する改装を行い、サービスや魅力を高める施策を進めた。客室数は改装前から24室減ったが、2024年の客室単価は2019年比145%、売上142%を達成した。

 

【ロッテアライリゾート】

約100万坪の広大な敷地にホテルやスキー場等を備えるウェルネスマウンテンリゾート。1993年に開業した前身施設を2015年にロッテグループが取得、2017年から運営を開始した。通年リゾートとしての魅力向上や商品造成等に力を入れ、2024年の売上高は2019年比187%、客室単価も同145%の実績を挙げている。

 

(国際ホテル旅館2025年11月5日号から抜粋)