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経営者に聞く

接客グランプリ開催 接客力と地域への想いを披露【スーパーホテル】

接客グランプリ開催 接客力と地域への想いを披露【スーパーホテル】

スーパーホテル(大阪市西区)は10月23日、大阪市内で「スーパーホテル接客グランプリ2025」を開催した。日々の接客現場で育まれたスキルやホスピタリティを競い合う年に一度の社内コンテストで、予選を勝ち抜いたフロントアテンダント11名が登壇した「接客部門」と「ご当地結びスタ部門」の2部門で構成されている。審査の結果、接客部門はスーパーホテル山口湯田温泉店の坂本真侑さんが金賞を獲得。宿泊客への感謝の言葉と提案が自然に行われ、一歩踏み込んだ心遣いが高く評価された。経営品質本部執行役員の星山英子氏に聞いた。

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――グランプリ開催の経緯は。

星山 フロントアテンダントの接客レベルとモチベーションの向上を目的として、2012年から行っています。その前年に拠点数が100店舗を突破し、さらなる拡大を見据えて人事・教育制度を強化する中、接客水準の向上を図る一環で創設されました。

当初はチェックイン応対等の基本的な接客を審査していましたが、コロナ禍を機に観光・レジャーやホテル滞在を目的とする宿泊需要が増えたことから審査内容も変化し、滞在中の問合せ等、より多様なシチュエーションに対応する力が求められるようになりました。

ご当地結びスタ部門は昨年新設され、今年で2回目になります。

「ご当地結びスタ」は2020年のコロナ禍を機に誕生したもので、宿泊需要の大きな変化を見据えて、ホテル各店舗が地域と連携しながら主体的・積極的に地域の魅力を発信する活動に発展しています。この活動を通じて各ホテルに醸成されている「地元愛」と「創造性」を披露・共有する狙いがあります。

――審査の流れは。

星山 接客部門は、74名の参加希望者を対象に東日本と西日本の2カ所で行った予選を勝ち抜いた11名がグランプリに参加し、ホテルのフロント・ロビーを想定したロールプレイングが行われました。チェックイン応対から滞在中の問合せまで、様々なシチュエーションへの対応力を競いました。

ご当地結びスタ部門は各ホテルが主体的に地域の魅力を発掘・発信するための取り組みを評価するものとして、自主制作した地域PR動画とプレゼンテーションを行いました。

接客部門の審査基準は大きく6項目あり、特に重視されるのは次の点です。まず、スーパーホテルが定める基本的なサービススタンダード(挨拶・笑顔・名前呼称等)が高水準でできているか。次に、当社の特色あるコンセプト──CO2実質ゼロの宿泊、天然温泉、オーガニック等──を分かりやすく伝えられているか。そして、宿泊客との会話からニーズを捉えて最適な提案が行えているか。

宿泊客の質問や相談の意図・背景を理解した上で一歩踏み込んだ案内が求められます。出場者本人の努力もさることながら、所属する店舗のチームスタッフが準備や練習に協力することが、チーム全体の結束力やおもてなし意識の向上にも繋がっています。

――出場は自ら立候補するケースが多いのだとか。

星山 出場希望者の中には、前回以前に出場した先輩スタッフの姿を見て参加を志す人も多いようです。「努力の成果を形に残したい」「自分を育ててくれた支配人に恩返ししたい」といった動機も目立ちます。

――接客部門で金賞を獲得した坂本さんの評価ポイントは。

星山 宿泊客役から会員制度とステータスに関する質問を受けたことに対して、まずは「いつもご宿泊頂きありがとうございます」と感謝の言葉を述べ、その上で質問に答え、さらに次のステータスに関する提案を行う等、潜在的なニーズに先回りした応対が高く評価されました。

――ご当地結びスタ部門の審査基準と、最優秀賞を獲得した四国中央店の受賞ポイントは。

星山 各ホテルが自主制作した地域PR動画とプレゼンテーションを披露し、映像の完成度、魅力発掘力、プレゼン力に加え、「地域への愛情」が重要な審査ポイントとなります。

最優秀賞に選ばれたスーパーホテル四国中央店は、工業都市で観光資源に恵まれているとは言い難い環境にありながら、「お遍路文化」に着目。実際にスタッフが寺院を歩いて地図を制作し、お遍路巡りの宿泊需要獲得を目指す取り組みを行っています。また、支配人が考案したB級グルメ「しこちゅ~ばりばり」を四国中央で広めるために、地域の飲食店と協働して具材のバリエーション拡大に取り組む等の活動が高く評価されています。

接客部門・ご当地結びスタ部門のいずれも、出場者が相互に刺激・影響し合い、新しいアイデアを得る機会にもなっており、重要な成長機会になっているとも感じます。当社は心のこもったおもてなしで「日常の感動」をお届けすることを大切にしています。また、地域と宿泊客とを結び、地域を応援することで地域社会に貢献したいと考えています。

 

(国際ホテル旅館2025年11月20日号から抜粋)