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経営者に聞く

日本のおもてなしの心を持った人材育成を【藤田観光】

日本のおもてなしの心を持った人材育成を【藤田観光】

藤田観光(東京都文京区)は、昨年2023年は箱根ホテル小涌園(神奈川県足柄下郡)のオープン等によりリゾート事業が売上を大きく伸ばし、都市部を中心に宿泊主体型ホテルを展開するWHG事業のインバウンド宿泊者数の増加等が寄与した。一方、ホテル人材の育成に向けて、東急ホテルズ&リゾーツ(東京都渋谷区)と人材育成コンソーシアムを発足。両社の若手社員を対象にした研修・実技演習を行う等、新しい試みも始めた。「日本のホスピタリティ産業ならではの人材を育てたい」と語る伊勢宜弘社長に聞いた。

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――昨年7-9月の第3四半期は売上高163億9300万円。2019年同期の水準に回復した。

伊勢 ワシントンホテルやホテルグレイスリー等のWHG事業は2019年同期比並み、リゾート事業は箱根ホテル小涌園の開業により同比160%と大きく伸ばしました。営業利益も全事業で黒字を達成しました。

インバウンド宿泊者を国・地域別のシェアでみると、2019年当時は過半数が中国(香港を含む)からでしたが、今年は分散化が進み、韓国23%、中国(香港を含む)21%、米国11%、台湾9%、豪州5%等となっています。欧米方面が大幅に増え、それに伴い宿泊日数も長くなっています。

円安等によって訪日旅行の割安感が強く、今後、地方空港への国際線の復便・増便等が進むことによって、インバウンド需要が地方にも広がることを期待しています。今年3月に北陸新幹線が延伸し、首都圏から福井県へのアクセスが向上することによるホテルフジタ福井や永平寺親禅への波及効果も期待しています。

――昨年は7月に箱根ホテル小涌園を開業。隣接する箱根小涌園ユネッサンもリニューアルオープンした。

伊勢 小涌谷エリアの当社運営施設は、高級リゾートの箱根小涌園天悠と本格日本旅館の三河屋旅館、新スタイルの温泉宿である箱根小涌園美山楓林に、家族旅行や友人グループ旅行を主要ターゲットとする箱根ホテル小涌園が加わり、合計客室数が340室と箱根温泉で最大規模となりました。さらに箱根小涌園ユネッサンの大規模リニューアルによって家族風呂が整備され、これまで以上に多様な選択肢を持つ温泉リゾートとなりました。

まずは箱根ホテル小涌園の営業状況を見守りながら、次の一手を検討していきます。箱根温泉の中央部に位置する立地環境とユネッサンの施設特性を活かして飲食・物販等の機能を強化し、「温浴テーマパーク」としてさらに進化することを構想しています。また、箱根ホテル小涌園の隣にある当社所有地も、開発を検討してまいります。

(国際ホテル旅館2024年1月5日号から抜粋)