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箱根ホテル小涌園を開業【藤田観光】

箱根ホテル小涌園を開業【藤田観光】

藤田観光(東京都文京区)は、7月12日に箱根ホテル小涌園(神奈川県足柄下郡)を開業する。

約60年間にわたって営業し、2018年1月に一度閉館した箱根ホテル小涌園を建て替えるもの。代表取締役社長の伊勢宜弘氏は「『ユネッサンと一体的に「温泉」「自然」「食事」を体験できるホテル』というコンセプトのもと営業する。宿泊客は滞在中、箱根小涌園ユネッサンの施設を利用することができ、宿泊しながらユネッサンのお風呂やプール、飲食店も楽しめる」と語る。

箱根ホテル小涌園の付帯施設も充実。最上階6階の両端には大浴場を備え、庭園に面したビュッフェレストランにはライブキッチンを設置。日帰り利用も受け入れる予定だ。

箱根ホテル小涌園の開業に合わせて箱根小涌園ユネッサンの整備も進め、4つのゾーンそれぞれの特徴を備えた体験型複合リゾートとする。伊勢氏は「箱根小涌園エリアにある各施設のポジショニングもこれまで以上に明確にし、箱根小涌園天悠は1泊単価が3万円から4万円、上質な滞在を実現する宿泊施設として一層のグレードアップを図る。箱根ホテル小涌園は同2万円前後、ファミリーやグループが寛げるような癒しの時間の提供を想定している」とする。

「ユネッサンにはキャンプ場等の機能を備え、周辺には当社が事業承継し2020年10月から運営している日本旅館の箱根小涌園三河屋旅館もある。エリア全体で滞在スタイルにおいて多様なバリエーションが揃う」(伊勢氏)。

昨年4月には新会員プログラム「THE FUJITA MEMBERS」を始動。会員にとってはシンプルな設計で使いやすさを重視した一方、顧客データを蓄積・活用する基盤を強化。利用履歴を踏まえてセグメント化し、会員客一人ひとりに沿った情報を提供できるようにした。

この運用のため専任部署を立ち上げた。伊勢氏は「当社は多様なブランドの宿泊・観光施設を運営する。新会員プログラムの運用を通じて、この多様なグループ内施設の相互利用の推進、およびニーズの分析による商品力の強化を図る」と語る。