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経営者に聞く

会議室から〝空間再生事業〟へ 宿泊事業が描く成長戦略【TKP執行役員 宿泊・料飲事業担当 横岩利恵氏】
貸会議室事業のリーディングカンパニーであるTKP(東京都新宿区)は、「空間再生流通企業」というコンセプトのもと、宿泊事業を第二の柱として育てている。現在、全国で34施設(2026年5月末時点)を展開し、アパホテルのメガフランチャイジーとして都市型ホテルを拡大する一方、地方では研修施設とリゾートを融合させ、会議・研修・宿泊サービスを提供する独自モデルを構築。その競争優位性と今後の展望について、宿泊事業を統括する執行役員の横岩利恵氏に聞いた。
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TKPの宿泊事業は、2014年に開業した「アパホテル〈TKP札幌駅前〉」からスタートした。以降、12年間でアパホテルブランドを22施設展開し、アパホテル最大級のフランチャイズ企業へと成長している。
同社はアパホテルとの強固なパートナーシップに基づき、地方や準都市圏でのフランチャイズ展開の中核を担う存在となっている。近年、特に力を入れているのが、アパホテル直営物件の取得だ。2025年以降、8棟の直営物件を取得。これは運営効率と投資回収の両面でメリットがあるという。
横岩氏は「直営物件を引き継ぐことで、ブランドや運営仕様をそのまま活用できる。新規開業に伴う時間やコストを大幅に削減でき、既存の稼働実績をもとに投資判断ができる点も大きい。従業員も引き継げるケースもあるので、スムーズな運営開始を実現している」と語る。
TKPの宿泊事業は、単なるビジネスホテル運営ではなく「空間再生」を事業の本質として捉え、既存施設の潜在価値を再定義し、リブランド・リニューアルによって収益力を高めることだ。
例えば昨年1月に開業した 「アパホテル〈湘南辻堂駅前〉」では、既存ホテルを取得してアパホテルへとリブランドし、立地特性を活かした運営で80%以上の客室稼働率を維持しているという。横岩氏は「古いホテルでも設備がしっかりしているケースは少なくない。立地や地域のポテンシャルを見極め、適切に再生することで十分に競争力を持たせられる」と話す。
一方、温泉地・リゾート地でも、静岡県の「レクトーレ熱海小嵐」や「石のや伊豆長岡」等で、既存施設を全面改修し、ファミリー旅行から企業研修まで幅広い需要を取り込む施設として生まれ変わらせた。現在はオールインクルーシブサービスやサウナ・家族風呂の設置等、付加価値を高める設備を導入し、従来の研修施設の枠を超えた魅力づくりを進めている。
この「地方再生×宿泊」のアプローチこそが、新築開発とは異なるTKPならではの競争戦略といえる。
(国際ホテル旅館2026年8月5日号から抜粋)
