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経営者に聞く

直営農場の食材を使ったチャイニーズアフタヌーンティー【ホテルコンチネンタル府中】
ホテルコンチネンタル府中(東京都府中市)は9月1日、本館1階の中国料理「フィリー」で「秋のチャイニーズアフタヌーンティー」の提供を始めた。
同ホテルの直営農場である青森県の「東北牧場」で無農薬・無化学肥料で育てた野菜や野草、平飼いのブランド卵等をふんだんに使用し、「エッグタルト牧場かぼちゃクリーム」「牧場さつまいも団子のココナッツミルク」「牧場栗、牧場陸稲の中華ちまき」等のメニューを揃えた。料金は一人4200円(税込)。ランチ・ディナーともに提供し、食事としても楽しめる内容とした。
企画の狙いについて総支配人の大住佑氏に聞いた。
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――チャイニーズアフタヌーンティーを考案した理由は。
大住 フィリーは当ホテルの直営レストランでリピーター需要も活発です。今回はこれまで同店を利用したことのない方をターゲットにしたいと考え、見た目の華やかさや『食べてみたい』という気持ちを想起させたいと考え、チャイニーズアフタヌーンティーを選定。当店でしか提供できないものとして、東北牧場のテロワールを活かしたガストロノミーチャイニーズアフタヌーンティーをコンセプトに据えました。
――東北農場で育てている、どのような作物を取り入れたのか。
大住 無農薬・無化学肥料栽培の野菜、ハーブ、小麦、陸稲塔のほか、自生する木の実や野草といった食材も活用。素材そのものの味を楽しんでいただくことをテーマとしました。一緒に提供するお茶も、東北牧場の野草を使った野草茶を全9種類用意。フリーフローで提供します。
良質な食材の生産・収穫から調理、サーブまで一貫して行うという当ホテルの取り組みは、他では真似できない、独自性の高い強みと考えています。
――どのような需要を掘り起こしたいか。
大住 ホテル館内3つの直営レストランでは全て東北牧場の食材を主役にした料理を提供し、宿泊客にも食を目的とされる方が多くいらっしゃいます。朝食バイキングが雑誌の「ビジホ朝食ランキング」で1位に選ばれる等、その評価も高まってきました。
今回のアフタヌーンティーの画を通じて、「食」を目的とした来店客をさらに増やし、「食」を中心としたホテルとして、宿泊・レストラン・宴会の全サービスの利用増に繋げたいです。
――現段階(8月26日時点)での反響は。
大住 本企画の前に提供していたチャイニーズアフタヌーンティーも好評で、その多くが新規客でした。さらに、リピーター客の中にもチャイニーズアフタヌーンティーを楽しんで下さっている声がありました。
当ホテルでは、アルバイトを含む全スタッフが顧客とのコミュニケーション内容を記録しており、お褒めの言葉からクレーム・改善点、アップセル、ささやかな日常会話等、その情報は多岐にわたります。コミュニケーションが好意的な口コミに繋がった場合は500円のインセンティブも即時支給しています。コミュニケーションこそが広報であり、マーケティングであり、顧客満足度の向上であり、新しい施策や改善のヒントであると考えています。

(国際ホテル旅館2025年9月5日号から抜粋)
