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経営者に聞く

「人が人をもてなす」基本守り改革進める【アールエヌティーホテルズ】

「人が人をもてなす」基本守り改革進める【アールエヌティーホテルズ】

ロイヤルホールディングス(東京都世田谷区)傘下のアールエヌティーホテルズ(東京都世田谷区)。コロナ禍においてはロイヤルグループのリソースを活用・共有しながら間接業務を減らし、組織の適正化などを進める構造改革を行ってきた。代表取締役社長の本山浩平氏は、その中で模索を続けてきたからこそ、見えてきたこともあったという。

「国内ビジネス旅行の宿泊需要は、もう2019年時点の水準に100%戻ることは難しいだろうとの前提のもとで『選ばれるホテル』になるための努力を進めます」(本山氏)。

特に課題となっていたのが、国内の観光・レジャー旅行客をいかに取り込むか、この層にどうやってリッチモンドホテルズの情報を届けるかだった。

これまでは出張の機会が多いビジネス旅行者をメインターゲットに、この層にとって顧客満足度の高い宿泊サービスを提供することでリピーターになって頂く、という考え方のもとで運営してきました。観光・レジャー旅行は、ビジネス旅行に比べて旅行の頻度が下がり、さらに言えば旅行そのものの需要を喚起させるような取り組みも必要になります。幸いなことに、会員組織のリッチモンドクラブには100万人のメンバーがいます。この会員客により多様な利用シーンを提案すべく、観光・レジャー向けの宿泊プランを造成したり、次回以降の利用がお得になるチケットを作ったりしました」(本山氏)。

チケットは、もともとリッチモンドホテル天神福岡(福岡市中央区)が独自に取り組んでいたもの。絵を描くのがとても得意なフロントスタッフが、ホテル周辺の情報をイラスト付きで紹介する手描きのホテル周辺マップを宿泊客に配布していた。この内容をブラッシュアップして、全国各地のリッチモンドホテルを紹介する手描きのイラストに、上記チケットを付けたフライヤーを用意した。

「こういった地道な取り組みと同時に強化を図ったのが、SNSなどを活用したデジタルマーケティング。新規顧客を対象に『旅マエ』の段階で気づいてもらうきっかけになればと思います」(本山氏)。