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経営者に聞く

サステナブルな会社として常に進化を続ける【アパグループ】

サステナブルな会社として常に進化を続ける【アパグループ】

アパホテルネットワークとして、国内外に710ホテル10万8672室(2022年12月20日現在、建築・設計中、海外、FC、アパ直参画ホテルを含む)を展開するアパホテル(東京都港区)。今年は客室数1704室と西日本最大級の超大型アーバンリゾートホテル、アパホテル&リゾート〈大阪梅田駅タワー〉(大阪市北区)等の開業を控え、今年もさらなる躍進の1年となりそうだ。

昨年4月1日にアパグループ社長兼CEOに就任した元谷一志氏は、同年12月にコロナ禍以来初の北米視察も行った。

「昨年春に取得・開業したCOAST calgary downtown hotel & suites by APA(カナダ・カルガリー)と、現地法人の拠点があるバンクーバーやシアトルを中心に回った。カナダも米国も日本以上に物価上昇が進んでいるが、同時に賃金も上昇しているので、経済は循環し、街全体も活気に溢れている。特にカナダは働き手として移民の存在が大きく、少子高齢化や人口減少といった社会課題に正面から向き合っていない日本との大きな差を感じた」(元谷氏)。

今後も歩みを止めることなく新規出店の計画を進め、今後もフランチャイズ・アパ直参画ホテルも含め、圧倒的No.1のホテルブランドとして積極展開を進める。

海外展開も推進する。現在、事業の大半は国内によるものだが、今後、この比率を高め、海外でも存在感を高めていく。

「ホテルはもともと人材の流動性が高いが、今後は会社に対する帰属意識・ロイヤルティの醸成が重要。宿泊業は国内で需給が完結する業種とは異なり、訪日外国人旅行者を通じて外需を取り込み、日本経済が停滞状態にあっても外貨を稼ぐことができる。そのことへの理解をより広く求めていく必要がある」とした上で、社員のベースアップを実施。昨年2022年6月に2500円、同12月に2回目として7500円、合計で年間1万円のベースアップを行った。「生活コストも上昇している状況も鑑み、人材確保のための対応として経営判断をした」と元谷氏。

「父が一代で築き上げた会社を継承し、次の世代により良い形で引き継ぎたい、サステナブルな会社でありたいと思うからこそ、子どもたちの代になった時の日本はどうなっているのか、という焦燥感は常にある。だからこそ『進化するアパホテル』として、常に新しいことに挑戦し、イノベーションを起こし続けたい」(元谷氏)。