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経営者に聞く

ホテルは街づくり・地域づくりに貢献する責任がある【ANHA】

ホテルは街づくり・地域づくりに貢献する責任がある【ANHA】

全国規模の宿泊業の団体として、1000軒あまりの会員を擁する全日本ホテル連盟(ANHA、東京都千代田区)。昨年11月15日に創立50周年記念式典を開催した。当時は新規事業であったビジネスホテルを興した経営者らの情報交換の場として誕生し、現在は観光立国の実現と地域社会への貢献を目指した活動等、市場環境の変化を踏まえた活動を行っている。

会長の清水嗣能氏は「高度経済成長を背景に出張旅行者が増え、その受け皿となるべく宿泊特化型ホテル=ビジネスホテルの事業を立ち上げた全国各地の経営者らが発起人となり、前身組織である全日本ビジネスホテルが設立された。新業態を起業した、いわばベンチャー経営者の集まりとして、同業者が力を合わせてこの新規事業を盛り上げて根付かせようと発足したもので、今日の姿は当会の長年にわたる活動が礎になっていると自負している」と語る。

50周年に先立つ2020年、新たなMVVS(ミッション・バリュー・ビジョン・ステートメント。組織の使命・理念・行動指針・宣言)を策定。この中にも新規事業を立ち上げた先人たちの気概をDNAとして受け継ごうという想いが込められた。

コロナ禍では業界の代表として声を上げることも多く、特に「商用旅行への観光需要喚起策の適用」を強く求めた。GoToトラベル事業では商用旅行が対象外となり、会員施設の多くが恩恵をあまり受けられなかったことを踏まえたもので、10月11日に始まった全国旅行支援では商用旅行にも割引が適用されることとなった。

とはいえ、支援制度はいつまでも続かない。「まずは様々な支援制度も活用しながら足元の業績回復を図るとともに、この苦境をともに乗り越えた従業員に報奨を用意できるような財務状況を確立することが最優先。その上で街・地域の振興に寄与することを働きかけたい。街・地域を訪れるためにホテルが使われるのだから、ホテルはその街・地域づくりにも貢献する責任がある」と清水し。