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経営者に聞く

売れ残ったパンをビールにアップサイクル【シンクロ・フード/CRUST】

売れ残ったパンをビールにアップサイクル【シンクロ・フード/CRUST】

飲食店経営支援のシンクロ・フード(東京都渋谷区)は9月1日、シンガポールのフードテックカンパニーCRUST Group(日本法人CRUST JAPAN、東京都港区)に出資したと発表した。

CRUST Groupは、まだ食べられるのに売れ残り、捨てられてしまう予定だった余剰食料をクラフトビールやジュース等の飲料製品にアップサイクルする事業を手掛けている。シンガポールのマリーナ・ベイ・サンズ、日本でもアマン東京(東京都千代田区)が食品ロスのパンを原料にしたビールをホテルオリジナル製品として販売・提供した実績がある。

CRUST JAPANゼネラルマネージャーの吉田紘紀氏は「CRUST Groupは2019年にシンガポールで創業。ベーカリー等から売れ残ったパンや製造過程で生まれたパンくず等を集めて作られたクラフトビール『CRUST』が誕生した」と語る。

2021年には日本法人を設立。大阪市内のラグジュアリーホテルで、SDGsに対応した運営の構築を進めていたところ、CRUSTに関心を寄せるきっかけになったという。この事例のほか、アマン東京(東京都千代田区)の客室ミニバーにCRUSTとコラボレーションしたアマン東京オリジナルのビールを提供する。シンガポールではマリーナ・ベイ・サンズ等でもコラボレーションビールの提供実績がある。

シンクロ・フード代表取締役社長の藤代真一氏は「当社は2003年の創業以来、飲食店経営に関するプラットフォーム『飲食店ドットコム』の運営等を通じて、飲食業界の発展を応援してきた。累計25万のユーザーの大半は、個店経営または数軒を展開する小規模事業者で、その多くは日々の業務に精一杯。長期的な視点で経営に向き合う時間が取れない。当社が率先してSDGsに取り組み、その情報を発信することで、飲食業界にも広くSDGsの理念が伝わり、持続可能な飲食店経営が根付くきっかけになれば」と語る。