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本館客室6室に温泉露天風呂を新設【古屋旅館】

本館客室6室に温泉露天風呂を新設【古屋旅館】

静岡・熱海の老舗旅館、古屋旅館(静岡県熱海市)は、9月26日から本館客室6室の改装工事を実施。11月15日のリニューアルオープンを予定している。

対象となる客室には同館が単独で所有する自家源泉の温泉を引き込んだ露天風呂を設け、内装も一新する計画だ。浴室は国産ヒノキを使った総ヒノキ造りで、屋外側には角度や高さが都度調節可能な電動ブラインドを取り付ける。屋外の空気を感じながらプライベートな入浴が楽しめる全天候型の露天風呂として、同館の主要顧客層であるカップル・夫婦や家族連れの取り込みを強化する。

同館は2005年に本館の客室4室に露天風呂を併設したのを皮切りに、順次、露天風呂付き客室を増設。今回の6室の改装によって、客室全26室のうち18室が露天風呂付き客室となる。

代表取締役の内田宗一郎氏は「未だ海外旅行に出かけることが難しい状況から、国内旅行で非日常の体験を楽しみたい、という志向が強まっているとも感じる」と語る。熱海市街の中心部にある立地環境を活かし、創業200年を超える歴史と伝統を守りつつ、先進的なテクノロジーも取り入れながら現代のニーズに対応した宿泊運営を行っている。

工事は11月上旬までを予定しており、10月31日までは全館を休業する。11月1日からリニューアル対象客室以外の営業を再開し、11月15日からリニューアル客室を含む全室の営業を開始する予定だ。この事業に伴う総投資額は2億円前後を見込んでいる。

古屋旅館は、内田宗一郎氏が代表取締役に就任した2016年以降、旅館の価値向上のために館内施設の改装および新規事業立ち上げの計画に取り組んできた。

2021年3月には、和栗スイーツカフェ「和栗菓子kiito-生糸-」を熱海銀座商店街に開店した。京都・木屋町の人気店「和栗専門紗織」との共同プロデュースで開店したもので、純国産和栗を100%使った香り高いモンブランを、細さ1mmの錦糸状に、注文を受けて目の前で絞って提供する。