TOP INTERVIEW
経営者に聞く

テクノロジーとホスピタリティの融合で新しい宿泊体験を創る【セクションL代表取締役 ハワード・ホー氏】
Section L(セクションL、東京都千代田区)が運営するアパートメントホテルは、リアルな交流機会や独自開発したデジタルプラットフォームを通じて、コミュニティ形成を後押しする。最新テクノロジーを活用しながらホスピタリティを重視する同社の方針について、代表取締役のHoward Ho(ハワード・ホー)氏に聞いた。
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――御社の経営陣は世界的なラグジュアリーホテルブランドや投資会社でのキャリアを有する。日本でホテル事業を立ち上げた理由は。
ハワード 日本は世界中の旅行者から高い関心を集めています。訪日外国人旅行者の増加とアパートメントホテルの需要の高まりを背景に、市場の成長余地は依然として大きいと考えています。
私自身は台湾の出身ですが、日本には独自の文化やおもてなしの精神が根付いていると感じていました。日本で新しい宿泊体験を提供する意義はますます高まっており、事業としての魅力も大いにあると思います。
――現在は中長期旅行者の滞在需要に応えるアパートメントホテル業態を展開している。
ハワード 当社が運営するホテルは、短期滞在から長期滞在まで幅広いニーズに対応することを想定し、自宅のように寛ぎながら快適に過ごせる環境を提供しています。
訪日外国人旅行者は1週間、場合によっては1カ月以上滞在することも珍しくなく、単なる観光だけでなく、日本で暮らすような体験を求めています。アパートメントホテルは、そうした旅行者のニーズに特に適しています。
当社のホテルには、全ての宿泊客が自然に交流できる機会を設けています。毎日夕方には、ロビーエリアで宿泊客やスタッフが集まる「ハッピーアワー」を開催しており、初めて日本を訪れた宿泊客が長期滞在客からおすすめの店や観光情報を教えてもらったり、長期滞在客同士が新たな出会いを楽しんだりすることができます。こうした交流も宿泊価値の一つになっています。
――コミュニティ形成を重視している。
ハワード ハッピーアワーでは、宿泊客だけでなく、私たちのスタッフも交流に参加します。スタッフは26以上の国・地域の出身者で構成されており、それぞれが海外や異文化の中で生活した経験を持っています。そのため、旅行者への共感力が非常に高く、宿泊客と同じ目線に立って寄り添うことができ、こうした人間的なつながりがセクションLの強みだと考えています。
――「InterSection」の開発・運用にも力を入れている。
ハワード 会社を立ち上げた2020年は、ちょうどコロナ禍の最中でした。非接触によるチェックイン手続きやゲストとのコミュニケーションが求められていましたが、私たちの理想にかなうシステムが市場に見当たりませんでした。そこで、自分たちで作ろうと開発に取り組み、最初に事前チェックイン機能を開発しました。
その後の旅行需要の回復に伴い、ゲスト同士、そしてゲストと地域社会とのつながりを促進する機能を追加する、という開発の第二段階に入りました。これが、ゲスト、スタッフ、そして地域体験を1カ所でつなぐ、当社独自のゲストエンゲージメントプラットフォーム「InterSection」へと発展しました。
――具体的にはどのような機能があるのか。
ハワード 各ホテルには専用のデジタルコミュニティスペースがあり、宿泊客はそこで他の宿泊客と地元の発見や旅行のヒント等を共有できます。
また、「City Gems」という地域情報コンテンツも提供しています。これは、ホテル開業前にスタッフが周辺の飲食店やショップ等を10~15カ所ほど訪問し、実際に体験・利用した上で、レコメンドスポットとして選定、紹介するものです。単なる観光ガイドではなく、地域で働く人や暮らす人とセクションLとのつながりを生み出すことも目的としています。
(国際ホテル旅館2026年6月20日号から抜粋)
