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経営者に聞く

個性的な15のホテルブランドを展開【ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ】

個性的な15のホテルブランドを展開【ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ】

ソラーレホテルズアンドリゾーツ(東京都港区)は、昨年2021年に12軒をオープンしたが、うち9軒が既存ホテルのリブランドによるものだった。代表取締役社長の井上理氏は「今年2022年はさらに多くのホテルをリブランドオープンすることになると思います」と語る。

リブランドオープンしたホテルの中には「ACCESS by LOISIR HOTEL」「CHISUN BUDGET」「SH by the square hotel」など、新しいブランドもある。現在は15ブランドを展開していますが、これも今後さらに増える見通しだ。
「ブランドコンセプトやインテリアデザイン、提供するサービスの内容がブランドによって異なっても、基本的な運営体制は共通のルールのもとで行います」と井上氏。多ブランド展開のメリットについては「同一エリア内に複数のブランド・ホテルを展開できること」と語る。

「異なるブランドなら客層も変わり、カニバリゼーションを起こすリスクが小さくなります。どんなに人気のあるホテルブランドだからといって、同一エリア内にホテルの軒数・客室数を増やしても、集客できる数が比例して増えるとは思いません。2017年開業の雨庵金沢(石川県金沢市)や、地域の再開発のために2020年9月に営業を終了したインソムニア赤坂(東京都港区)などの運営経験から、チェーンブランドではない、世界に1軒しかない独自ブランドの方が、特にホテルの価値向上においてメリットが大きいと実感しました」(井上氏)。

今後は、各ホテルのブランド価値をより高める取り組みを行う。
「構想段階ですが、ブランドコミットメントを高めるために各ブランドのプライベートブランド商品の開発を検討しています。脱プラの動きなども踏まえて、アメニティや旅行関連グッズなどをプライベートブランドで商品化し、旅行スタイル自体を提案してブランドを表現し、利用客とより深いコミュニケーションが取れるのではないかと考えています」(井上氏)。

「コロナ禍は、たとえ収束に向かったとしても、生活習慣そのものが変化している、前提条件そのものが従来とは違ってきたのではないかと感じています。社内では『悲観的に考えて楽観的に行動しよう』と話しますが、今は『いずれ旅行者は戻ってくる』という希望的観測から距離を置き、この状況下でいかに収益源を確保するか、という前提のもとで事業拠点を拡大し、新たなグループホテルを開業することで収益確保に取り組みます」と井上氏。