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経営者に聞く

支援先を選べる宿泊者参加型ドネーション【JR九州ホテルズアンドリゾーツTHE BLOSSOM HIBIYA支配人 藤本康介氏】
JR九州ホテルズアンドリゾーツ(福岡市博多区)は1月、運営するTHE BLOSSOM HIBIYA(東京都港区)とJR九州ホテルブラッサム新宿(東京都渋谷区)の2ホテルで、宿泊者参加型の衣類等ドネーションを開始した。
リユース・リサイクル事業を手掛けるFASHION X(東京都大田区)と連携し、宿泊客が不要と判断した衣類や保管期間を過ぎた遺失物等を寄付する。寄付品はFASHION Xを通じて有効活用される。
宿泊客は寄付した品物の支援メニューを「子ども食事支援」「子ども教育支援」「子どもワクチン支援」のいずれかから選ぶことができる。また、館内で発生し、一定期間が過ぎても持ち主が見つからない遺失物も寄付対象とする。
THE BLOSSOM HIBIYA支配人の藤本康介氏に聞いた。
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――この取り組みを企画した背景は。
藤本 外国人宿泊客の増加等を背景に、ホテルでは衣類を中心とした遺失物が増えています。持ち主から申告がないまま保管期限を過ぎた場合、まだ十分に使用可能な状態であっても廃棄せざるを得ないことが課題となっていました。
そこで、ゲストが自ら意志表示を行い、社会貢献に参加できる「宿泊者参加方式」の仕組みを採用しました。社会課題の解決に関わる体験を提供し、当ホテルならではの滞在価値の向上に繋げていきたいです。
――取り組みの〝こだわりポイント〟は。
藤本 取り組みを通じて「責任あるドネーションの在り方」を追求した点です。
「本当に有効活用される形とは何か」を検討した結果、国内での資源循環を重視し、衣類を次の価値へ繋げる仕組みを構築しているFASHION Xの理念に共感し、本企画のパートナーとして選定しました。
FASHION Xはリユース・リメイク/アップサイクル・リサイクルを軸に、衣類を国内で循環させる取り組みを行っており、服飾専門学校への素材提供等、クリエイター育成にもつながる活動を展開しています。
本企画を通じて、単なる寄付にとどまらない「価値が循環する仕組み」を実現し、社会的意義のあるドネーションを目指しています。
――取材日時点でどのような反響があったか。
藤本 1月中旬から開始したところ、開始からわずか約2週間で回収ボックス(160サイズ・約30㎏)が満杯となる等、想定以上の反響を頂いています。短期間でこれだけの回収量に達していることから、ゲストの関心および参加意欲の高さがうかがえます。
また、客室内に専用の意志表示札を置いたままチェックアウトして頂く方式に加え、フロントカウンターまで丁寧に畳んだ状態で直接お持ち頂くケースもあり、これまで表面化していなかったニーズに応えていると実感しています。
(国際ホテル旅館2026年5月5日号から抜粋)
