TOP INTERVIEW
経営者に聞く
地球と人にやさしい環境配慮型のホテル運営【スーパーホテル】
「Natural, Organic, Smart」をコンセプトとした宿泊主体型ホテルを国内に173店舗・海外に2店舗展開するスーパーホテル(大阪市西区)。20年以上前から環境に配慮したホテル運営に取り組んできた。昨年秋からはカーボン・オフセットを利用した宿泊サービスの拡大と、実質CO2フリー電力への切り替えなど、地球と人にやさしいホテル運営を追求している。SDGsの目標達成に向けた取り組みにもいち早く着手し、環境以外の社会活動にも力を入れている。山本健策社長に聞いた。
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――インバウンドと国内旅行者、両方の宿泊需要を取り込んでいる。
山本 スーパーホテルは現在、日本国内で173ホテルを営業していますが、出店地によって宿泊客層や属性は異なります。そこで、例えば東京や大阪などの大都市圏、観光需要が活発なエリアを「インバウンド特区」と位置づけ、集客、館内サービス、さらには朝食のメニューや味付けに至るまで、インバウンドを念頭に置いた施策を進めています。
国内旅行者がメインのホテルについては、従来と同様、リピーターの獲得と取り込みに力を入れています。昨年2024年11月に発表された「J.D.パワー 2024年ホテル宿泊客満足度調査」では、エコノミーホテル部門において10 年連続第1位、同10月発表の「2024年度JCSI(日本版顧客満足度指数)」ビジネスホテル部門では、ビジネスホテル業種Standardクラスで第1位を獲得しました。
――10年もの間、高い顧客満足度を維持し続けるのは簡単ではない。
山本 時代のニーズに合わせた変化も意識しています。
例えば、最近はビジネス以外の宿泊需要の獲得にも力を入れています。コロナ禍の際にホテル周辺に住む人たちの宿泊需要を取り込んだ「安近短」ニーズの獲得や、コロナ禍の収束後は観光・レジャーやイベント参加に伴う宿泊需要の獲得が挙げられます。
DOR(Double Occupancy Ratio、同伴係数)も上昇してきましたが、ここで懸念材料になっているのが館内施設の混雑です。多くの既存ホテルが一人泊を中心に計画していたので、特に朝食会場や大浴場などの共用部が混み合う状況が生まれやすくなっています。また、宿泊客に占める女性の割合も上昇しているので、プラン・サービスの企画と合わせて検討を重ねたいと思います。
(国際ホテル旅館2025年1月5日号から抜粋)