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  • 19.10.09

「花板」養成機関を自前で創設【佳松苑グループ】

「花板」養成機関を自前で創設【佳松苑グループ】

佳松苑グループとして、佳松苑(京都府京丹後市)など8軒の旅館・ホテルを運営するアウルコーポレーション(京都府京丹後市)は、来年4月に「アウルキッチンアカデミー」を創設する。

若手の板前=和食職人を育成・輩出するための機関で、同社が保有する敷地内にアカデミー専用の施設を設ける。入学者は同社へ入社し、運営施設で勤務しながらアカデミーで基本的な料理技術や和食の知識などを学ぶ。2年間の実務経験を積んだ後に国家試験である調理師免許の取得に向けて試験を受けてもらう。その後も専門的な技術の習得に向けた指導を行い、板場を取り仕切る「花板」を目指してもらう。

同社はこれまでも旅館経営を通じて若手の和食職人の育成・指導を行ってきたが、代表取締役社長の沖田真奈美氏は「和食を極める」ことの難しさを感じていたという。「昔からの『技は盗んで覚える』スタイルは現代の指導方法との差異が大きい。若手の技術習得に格差が生まれ、それが和食の道を諦める原因の一つにもなっていたと感じている」(沖田氏)。

そこで、指導方法や教育過程を分かりやすく体系化し、若手が学ぶ内容や機会を平等にすることで「習得すべき技術や過程、課題の『見える化』を図り」(沖田氏)、和食職人の養成と技術向上、ひいては離職の抑止に繋げることを目指している。

専門学校などの教育機関とは異なり、社会人として収入を得ながら学ぶことで、継続しやすい環境も整える。ただし、公開アカデミーを行うなどして、花嫁修業のために和食を学びたい女性や料理技術を習得したいサラリーマンなど、幅広い層の受講を受け入れる準備もするという。

「将来的には洋食や生け花など、他の分野・テーマのアカデミーも設けたいと考えている。さらに、私たちと同じように人手不足に悩む同業者とも連携して、アカデミー修了生に就職先を紹介するなどの取り組みも行いたい」と沖田氏。