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  • 24.06.21

客室のキーカードロックにハッキングのリスク

客室のキーカードロックにハッキングのリスク

(写真はイメージ)

今年3月、海外から「世界中のホテル客室に使われているキーカードロックを、ハッカーが数秒で開錠した」というニュースが報じられた。世界的に普及している非接触式キーカードロックの一部モデルについて、そのロックを開錠・施錠できるカードキーを読み取り機を通じて別のキーカードに書き込むと、その別のカードキーがロックのデータを書き換えて開錠してしまう、というものだ。

ホテル客室のセキュリティが厳格化されるようになったのは、50年前ほど前から。客室でのトラブル発生を未然に防ぎ、宿泊客の安全とホテル運営会社の事業活動、そしてホテルオーナーの財産を保護するため、客室の扉一つひとつにロック(錠)を取り付け、宿泊客に鍵を提供する仕組みが広がったとされる。

ロックシステムは時代につれて変遷し、シリンダー錠からキーカードロックへと移行。キーカードも磁気ストライプやチップベース等の時代を経て、現在はRFID(Radio Frequency Identification、電波を用いてデータを非接触で読み取る=キーカードをかざす技術)が主流となっている。RFIDは従来の技術に比べて端末の経年劣化が起きにくく、管理システム上で権限を容易に設定・変更できること、スマートフォンのRFID機能にも展開可能なこと等から、ホテルのサービス品質向上およびファシリティ管理の効率化が進むとして普及しつつある。

一方、RFIDを運用する上でのリスク要素の一つが、ハッキングだ。悪意をもってロックシステムの情報を書き換えたりキーカードの情報を盗み出したりして、宿泊客でない人が客室に侵入できるようになってしまい、それが犯罪やトラブルの引き金となってしまう恐れもある。

もちろん、ロックメーカーも品質維持の観点から、製品に使われているセキュリティ技術の継続的なアップグレードに努めているが、同様にハッキングツールも進化している。いたちごっこのような話だが、キーカードのセキュリティ強化が重要な課題になっている。

ホテル客室のロックシステムは、宿泊客のプライバシーと生命や健康を守ることに加えて、客室内で犯罪や不正行為があった場合に発生しうる費用や損害からホテル運営会社から守ること、ホテルオーナーの財産を守ることにも繋がる。宿泊事業は「安全・安心」によって営業が成り立っているものだが、セキュリティを侵害するリスクは、その根幹を揺るがしかねない。

(国際ホテル旅館 2024年6月20日号)