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  • 24.07.05

第4回 新たな価値を生む「業務委託」の可能性【「雇用流動化」時代のホテル人材 ―もう人手不足に悩まない―】

第4回 新たな価値を生む「業務委託」の可能性【「雇用流動化」時代のホテル人材 ―もう人手不足に悩まない―】

当社は現在、宿泊施設・結婚式場・レストラン等における接客サービス業務の請負および受託を行う事業(バリューパートナーズ)と、ホテル客室清掃・共用部清掃部門の運営を受託する事業(バリューコンフォート)を行っています。どちらも、直接雇用による人材確保がますます困難になる中で、当社への問合せが増えています。

バリューパートナーズでは、主に宴会サービスの業務を受託しています。

宴会は「キャプテン」「バンケットマネージャー」と呼ばれるリーダー的存在が、サービススタッフに指示を出し、段取り良く会を進行させる役割を担います。従来はキャプテンやマネージャーがホテル従業員、スタッフは配ぜん会の紹介人材であることが一般的でしたが、最近、その図式が崩れつつあり、特にキャプテンやマネージャーの人材難が顕著になっています。

その要因の一つに、宴会場の数が少なく、宴会・サービス部門を設けないホテルが増えていることが挙げられます。当社のような専門性の高いスタッフを抱える会社に宴会サービス業務を丸ごと委託することで、ホテルは人材確保に時間や手間をかけることなく、当日の現場業務を担う人材を調達できるメリットがあります。

一方、客室等の清掃業務を受託するバリューコンフォートは、2018年に始動した、当社としては比較的新しい領域になります。私たちもこの事業を始めてから気づきましたが、清掃とはいえ、実際にはルームメイキングやセッティングにかかる時間と労力が大きく、宴会サービスと同様、スタッフの業務品質が価値を左右するものだと捉えています。

どちらの事業も属人性が高いことから、多くの数をこなして業績を上げるよりも、サービスや技術の品質を重視し、一定以上の価値水準を満たすことを重視しています。

そのため、まずは当社社内の品質保持に尽力し、専門的な知識や技術を伝える独自の教育を行っています。その上で、取引先であるホテル等が定めるルールやマニュアルを遵守し、求められるサービス品質の維持・向上を図っています。身だしなみや言葉遣い、立居振る舞い等、ホテル独自のルールを設けているところも多く、それに準拠した業務を行います。また、清掃業務は予算に沿った人員配置や業務の範囲をあらかじめ設定する必要もあります。

安定的なレベルの人材を供給できることに加えて、様々なホテル・結婚式場の業務を受託する実績から、業務効率化・生産性向上・コスト削減に向けた助言やアドバイスを行えることも、当社ならではの強みだと思います。この稿では具体的に伝えにくいですが、他のホテルで実践している事例を提案できるかもしれません。

業務委託をすることで、ホテルは注力すべき業務に集中でき、業務上のリスクを回避する、さらに新たな価値創出の機会にも繋げることができます。

バリュースタッフグループCOO 西谷良造氏

(国際ホテル旅館2024年6月20日号)

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