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- 25.03.24
第17回 ホスピタリティサービス工学から視るCES2025現地レポート(3)【視点を増やして観光DXを加速】
今回もCES2025(Consumer Electronics Show2025)の視察レポートから、ホスピタリティ業界に関するITトレンドをお届けします。これまでは製品技術やソフトウェアに関する話題を取り上げてきましたが、今回はテクノロジーとホスピタリティの結びつきについてお伝えします。
CESでは、ロボット技術の新機軸として二足歩行の開発が進んでいる様子を垣間見ることができました。かつては日本でも本田技研工業がASIMOを開発するなど、人型ロボットに挑戦する動きがありましたが、計画は終了してしまいました。しかし、最近ではFA=Factory Automationの分野で人型ロボットが製品の組み立てを担うなど、技術の進歩が見られます。来年のCESではさらなる進化が期待されるでしょう。
AIソリューションの進化と活用にも注目です。例えば、ワインセラーほどのコンパクトなプラントで野菜を栽培・生産する技術が披露されていました。水・空気・光の供給がAIによって制御され、必要に応じて肥料が補充されるなど、栽培の完全自動化を実現する仕組みです。
これも、かつてはプラントでの水耕栽培の仕組みが注目され、小型化された栽培システムをレストランに設置し、利用客に食事だけでなく収穫体験も提供できる新しいコンセプトが誕生しました。当時はAIコントロールが存在しませんでしたが、今ならMicrosoftやGoogleが確立した生成AI技術でプラントが進化し、社会実装の段階に入っています。
農業分野の進化は、宿泊・観光産業のDX推進において非常に重要なヒントとなります。IT技術を観光地や宿泊施設に定着させることで、旅行者に体験や価値を提供・創出し、「コト消費」を促すことができると考えます。
宿泊施設におけるAIオペレーションや自動化技術といえば、現在は自動チェックイン機などの設置によるフロント業務の自動化が進んでいますが、今のところ、これがコト消費の促進にはつながっていません。大きなグランドデザインを描き、ホテルが提供するホスピタリティやサービスを「直接的サービス」と「間接的サービス」に分類し、それぞれを最適化することが重要です。
直接的サービスは従来から提供されてきたホスピタリティやサービスを指し、間接的サービスは外部と連携しながら新たな価値を生み出す領域を指します。「IT×ホテル×サービス=体験価値を生み出すコト消費」という視点が求められます。現場のオペレーションはシステムが現行の業務に合わせるのではなく、システムに最適化されたオペレーションへと見直すことが必要になると思います。
藤原猛氏(タップ ホスピタリティサービス工学研究所 所長)
(国際ホテル旅館2025年3月20日号より)
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