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- 本紙好評連載
- 25.04.08
第3回 ホテルを巡る最新概況【令和のレベニューマネジメント新常識】
4月13日に大阪・関西万博が始まります。
大阪のホテルは客室が足りないとのニュースも流れています。一部では「予約が2倍になっている」といった情報もありますが、何と比べて2倍なのかが分からず、現地の関係者に聞く限り、実感は薄いようです。そもそも、万博の有無にかかわらず大阪エリアの客室稼働率は80%程度あり、低需要日を除けばほぼ満室に近い水準です。
観光需要が万博に集中し、他地域の需要に影響を及ぼすとの懸念もあるようです。今年のゴールデンウィークは例年に比べて予約の立ち上がりが遅く、その要因に万博の影響を挙げる声もありますが、今の状況を見る限り、全国への影響は限定的なようです。
一方、インフレーションの影響から、全国的に宿泊料金をはじめとする旅行費用が上昇しています。特に有名観光地はインバウンドの増加に合わせて高騰が進み、国内旅行者に敬遠される懸念があります。今年の春節期間中は中国本土の旅行者数が前年の1.5倍となりましたが、それ以外の地域からの訪日客の伸びは鈍化傾向にあるとの統計も出ています。したがって、昨年2024年の訪日外国人旅行者数は3700万人に達しましたが、今年は4000万人を超える見込みであるものの、成長は鈍る可能性があります。
民泊ブームを牽引するサラリーマンの不動産投資
インバウンド需要の変化に伴い、民泊市場が活性化しています。この「民泊ブーム」を牽引しているのが、サラリーマンなどが副業で民泊運営を行うケースです。特に、投資用のワンルームマンションが多い東京でその動きが顕著です。不動産投資と銀行融資の相性が良く、参入障壁も低いことが、その流れを後押ししています。
ホテル業界においても、開業のハードルが比較的低い宿泊特化型の施設は異業種からの参入が増えています。
つまり、現在の大都市圏の宿泊市場は、以下3つの傾向が見受けられます。
①インバウンドの伸びが鈍化しつつある
②宿泊主体型ホテルや民泊が拡大傾向にある
③国内旅行需要が減少傾向にある
Airbnbなどの民泊プラットフォームは、国内旅行者よりもインバウンドの利用比率が高く、宿泊料金が高騰するホテルを回避して民泊に流れる可能性が高いと考えられます。
民泊の利用者層は若年層が中心ですが、富裕層は引き続き外資系ブランドのラグジュアリーホテルを選択するでしょう。こうした市場の二極化が、今年以降、より顕著になると予測されます。
二極化が進む宿泊市場 中長期的な戦略が必要
目下、インバウンド需要に依存しているホテルは、仮にその需要が減退してきた時に、どのようにリカバリーするのか?中長期的な視野での戦略が求められています。
日本は観光立国戦略を掲げ、自動車産業に次ぐ外貨獲得手段として観光産業を発展させてきています。さらなる政府の支援策次第で、2030年に年間6000万人の訪日客を迎える目標が達成される可能性もあります。しかし、これが実現するかどうかは現時点では不透明です。
どちらに振れても生き残る方策を考えることが求められるでしょう。
小林武嗣氏(C&RM社長)
(国際ホテル旅館2025年4月5日号)
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