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  • 25.06.24

第2回 観光ブームの光と影 ―「オーバーツーリズム」と「人手不足」をどう乗り越えるか【宿泊運営の未来を変えるトータルソリューション】

こんにちは。ネットシスジャパンの荒井です。

訪日外国人旅行者の数が年々増え、日本経済に活気をもたらしています。一方で、その弊害として「オーバーツーリズム」と「人手不足」という深刻な課題が浮き彫りになりつつあります。

 

特に人気の観光地では、観光客の集中が地域住民の日常生活に影響を与え、自然環境への過度な負荷が懸念されています。また、観光需要の高まりに応える形で宿泊施設の稼働率が上昇していますが、人手不足が慢性化し、従業員の疲弊がサービス品質の低下に繋がり、宿泊体験の満足度に影響することが懸念されます。

私自身も一旅行者として、かつてのような静かで心安らぐ旅が国内では難しくなってきたと感じることがあります。どこへ行っても観光客で溢れかえり、宿泊料金も高騰。日本らしいモラルや細やかな心配りの文化が薄れてしまうのではないか、という漠然とした不安を抱くこともあります。

 

国の観光振興策と現場の実情との間には、大きなギャップが存在します。人手不足を補うために省人化や自動技術の活用を進めようとする宿泊施設が増えているのに、既存の法規制がそれを阻むケースも見受けられます。特に人命の安全確保を趣旨とする法令は、安易な省人化がリスクとなる可能性もあり、難しい問題です。

これらの課題は、「テクノロジーの戦略的活用」と「宿泊体験の最適化」が解決の鍵を握ると考えます。一例として、自動チェックイン機の導入によってチェックイン手続きを機械化することは、ホテルの人件費削減と業務効率化、そしてスタッフの業務負荷軽減に繋がります。宿泊客にも、対面での手続きを避けたい、あるいは到着・出発のピーク時間帯でもスムーズにチェックイン・チェックアウトを済ませたいというニーズに応えることができます。

もちろん、きめ細やかなコミュニケーションやパーソナルなサービスを求める宿泊客もいます。この方たちには経験豊富なスタッフが接客応対するなどして、柔軟にサービスを提供する姿勢も必要です。

 

館内インフォメーションのデジタル化も、館内施設の説明やホテル周辺のスポット紹介などといった情報を、様々なデバイス・ツールを通じて提供することで、宿泊客は自分が知りたい時に必要な情報をすぐに得られ、スタッフは定型業務から解放されてより付加価値の高いサービスや創造的な業務に集中できるようになります。特に多言語対応ソリューションの進化は、外国人客が安心して滞在できる環境づくりに大きく貢献しています。

人手不足という課題に対し、テクノロジーを単なる省力化ツールとして捉えるのではなく、従業員の働き甲斐を高め、サービスの質を向上させるための戦略的な投資として捉えることが重要です。特に、宿泊客が「自分に合ったサービス」を選べることで、結果としてサービスの質の向上、満足度向上に繋げる視点が、これからのホテル業界には不可欠です。テクノロジーの利便性と人の温かさ――この二つをバランスよく融合させることに、未来の「おもてなし」の姿があるのではないでしょうか。

 

【企画】株式会社ネットシスジャパン

(国際ホテル旅館2025年6月20日号)

 

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