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  • 旅行会社、OTA
  • 25.07.23

予約転売に不信感を募らせる宿泊施設【特集】

予約転売に不信感を募らせる宿泊施設【特集】

 

本紙は7月9日から15日にかけて「『国際ホテル旅館』宿泊予約に関する緊急アンケート」を実施。ホテルチェーン本部12社の回答を含む53件の回答結果を集計した。回答の半数超に相当する31件が、今年に入ってOTAまたは旅行会社経由の予約をめぐりトラブルに遭ったと答えている。トラブルの内容は表の通り(複数回答あり)。

 

宿泊予約をめぐるトラブルについては、本紙7月5日号でも取り上げた通り、大手ホテルチェーンも声をあげる等、多くの宿泊施設で確認されている。

大都市圏の宿泊主体型ホテルでは、予約通知が届いていないにもかかわらず「海外OTAから予約した」として外国人旅行者が来館し、部屋を用意したことがある。調べたところ、ホテルが契約するOTAから別のOTAに客室が転売されていたことが判明。契約するOTAに問い合わせたが、不透明な説明に不信感を強めた。

ある温泉地の観光ホテルでは、旅行会社・OTAによってプランや料金を出し分けていたところ、ある旅行会社向けに提供していた宿泊プランの予約が別のOTA経由で入ったことがある。旅行会社とOTAが情報連携していたことによるもので、ホテル側は連携の事実を正確に把握しておらず、ホテル側が意図する販売施策の運用が難しくなると担当者は頭を痛めている。

地方都市のホテルでも、特定の旅行会社が企画したプランに参画したところ、そのプランが別のOTAに転売されていた。ホテルは予約後に転売の事実を把握し、旅行会社側も状況を十分に把握しておらず、その旅行会社向けに提供したプランが適切に管理されていないことを遺憾に感じたという。

 

インバウンド市場の拡大により、ホテル・旅館の潜在的な顧客層は世界中に広がっている。しかし、全ての国・地域の旅行者に向けてセールスプロモーションを展開することは容易ではない。こうした背景から、旅行会社やOTA同士が情報連携を図り、各社が強みとする地域や業態に向けた宿泊プランの販売および仕入れが行われている。その過程で連携や管理になんらかの原因で不具合が起き、宿泊施設や旅行者へ通知がなされなかったり、誤った情報が伝わったりするケースが生じている。

 

本来、旅行会社やOTAの相互連携は、宿泊施設にとっては販売機会の拡大、旅行者にとっては商品の選択肢を増やすという、双方にとって有益な仕組みであるはずだ。

宿泊施設としては、自らの販売戦略に基づき、それぞれのターゲットに最適な宿泊料金を提供し、適切な収益を確保したいと考えている。旅行会社・OTAによってプランや料金を出し分けるのも、そういった戦略の一環である。ただ、旅行会社・OTA間の情報連携や転売に関する情報共有が不十分なまま、現場で旅行者とのトラブルに直面し、怒りと落胆を覚える場面も少なくない。

宿泊施設と旅行会社・OTAは、利益を共有し合う不可分の関係にある。繰り返しになるが、宿泊施設にも旅行者にも利益をもたらすはずの仕組みが、相互の信頼に基づき適切に機能することが求められている。

 

(国際ホテル旅館2025年7月20日号)