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  • 26.02.05

宿泊運営の強力なサポーター マーケティングコンサルタント大集合【C&RM 小林武嗣氏】

宿泊運営の強力なサポーター マーケティングコンサルタント大集合【C&RM 小林武嗣氏】

 

ホテル・旅館のマーケティングは、この25年で大きく様変わりしました。

2000年頃までは旅行会社(リアルエージェント)が客室販売の中心的役割を担っていました。全国各地の有名ホテル・旅館を広く告知し、ブランド力の向上にも寄与してきました。

リアルエージェントは客室販売にとどまらず、客室アメニティ・備品の選定も含めて宿泊経営を幅広く支えました。その対価としてのコミッションは15%、協賛を含めても18%程度で、当時は「手数料が高い」と不満の声もありましたが、現在の海外OTAと比較すれば良心的だったとも言えるでしょう。

 

2000年代以降、リアルエージェントに代わって台頭したのが、OTA・オンライントラベルエージェントです。OTA の基本的なスタンスは、端的に言えば「集客は行うが、その他は自力で対応して下さい」です。マーケティングの実務をホテル・旅館が自前で担う時代が始まりました。

当初、多くの施設が「客室販売の適正価格が分からない」という状況に直面しました。そこで注目されたのがレベニューマネジメントと競合分析で、試行錯誤やセミナー等を通じて技術と知識の習得に躍起になりました。

 

この流れは、インバウンド需要の拡大が始まった 2010年代に一気に加速し、特に2015年以降の3年間はレベニューマネジメントの黄金期と呼べる時代でした。

2019年になると、関西地区を中心にレベニューマネジメントが行き詰まりを見せるようになります。高需要期には有効でしたが、相次ぐ新規開業や民泊の台頭等による供給過剰な状況下では値下げ競争に陥りやすいという弱点が露呈したのです。

その後、コロナ禍によってレベニューマネジメントはほぼ機能しなくなり、関連人材の退職も相次ぎました。2023年以降、インバウンド需要は回復基調に入りましたが、ここで宿泊業界は深刻な人手不足、特にレベニューマネージャーを含むマーケティング人材の不在に直面します。多様化する販売チャネルを管理できる専門人材が社内にいなかったのです。

 

そこで「コンサルタント」という存在が増えてきました。

従来のコンサルタントは「財務面から経営を助言する」「サービスレベル向上を提案する」スタイルが主流でした。中には現場を十分に理解しないまま理想論を語る人もいて、コンサルタントに否定的な印象を持つ一因にもなっていたようです。

一方、今のコンサルタントは現場に近い立ち位置で活動する傾向にあります。具体的には、多忙な現場に代わってレベニューマネジメントや OTA管理、SNS投稿などを担う「業務代行型コンサルタント」のスタイルです。この形態は人手不足の状況に適合していますが、一方で、業務を任せきりにすることでホテル・旅館にノウハウが蓄積されにくい課題もあります。

これに対して、ホテル・旅館のスタッフを育成し組織力の底上げを図る「育成型コンサルタント」も増えています。宿に足を運ぶこともあるため、地域密着型で経験豊富な人材が担うことが多い傾向にあります。

 

今年の連載は、各地で活躍するコンサルタントのスタイルを紹介しながら、読者の皆さんが最適なコンサルタントに出会うための一助となれば幸いです。

 

(国際ホテル旅館2026年2月5日号から抜粋)