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- 26.03.22
CES2026レポート②観光DXとIXの時代が到来-変革の兆し【視点を増やして観光DXを加速】
観光産業が抱える「人手不足」という構造的課題は、AIの知能化=IX(Intelligent Transformation)によって再定義され、業務効率化の枠組みを超えつつあります。
CESにおいても、単なる〝便利なガジェット〟ではなく、人の業務を代替できる運用レベルに到達したロボティクスが数多く展示されていました。
印象的だったのは、「ソフトAIとハードAIの融合」です。
ロボットはこれまで、清掃や配膳のような複雑な作業、および作業環境の違いに対応するために、動作の細かなプログラミングを行わなければならず、実用化までに多くの工程と調整が必要なことが導入障壁となっていました。
しかし、今年のCESでは生成AIやVision -LanguageAction(VLA)モデルによっ
て、ソフトAIが作業内容を理解し、ハードAIに動作指示を自動生成する仕組みが実現。周囲の状況や物の配置等を認識し、「どこを・どのように片付けるべきか」を理解・判断して行動する段階に達していました。「動きをコードで定義する時代」から「結果を指示する時代」への劇的な転換を示しています。
ハードウェアの進歩も目覚ましいです。人間の生活動線に合わせた動作・制御技術が進化したことで、ホテル館内の既存空間を改修することなくロボットが稼働できる環境が整いつつあります。ロボットが人の動作を代替することが可能になってきたためで、現場のルーティン業務をロボットが担い、顧客との情緒的な対話等、より付加価値の高い仕事に人のスタッフが集中できるようになります。
人の動作や気づきをテクノロジーが補完する
テクノロジーは単なる効率化・省人化ではなく、むしろ「人間らしいサービス」「人にしかできない価値」を取り戻すための装置へと役割を変えつつあります。
CESでは「ロボット・マネージド・ステイ」の概念も注目を集めていました。
24時間稼働するAIコンシェルジュ、宿泊客の体感温度や表情の変化を読み取り環境を自動調整するエッジAI等、「〝気づき〟のホスピタリティ」をテクノロジーが補完する仕組みが実用段階に近づいています。これも労働力不足への対応だけでなく、サービス品質の均一化、高い付加価値・高精度な顧客体験の創出といった観点からも、ホテル運営に大きな影響を与える可能性を秘めていると考えます。
観光DXのステージは、データ活用の段階からさらに進み、人間の感性を補完し、体験価値そのものを高める時代へと進んでいると言えます。
人手不足という日本の宿泊業の課題は、テクノロジーの進化によって新たな解決の道を見出しつつあります。人とAIが役割を分担しながら協働することで、より質の高い観光体験を提供する――そんな新しい観光地経営の姿が、いま現実のものとしして立ち上がり始めています。
藤原猛氏(タップ ホスピタリティサービス工学研究所 所長)
(国際ホテル旅館2026年3月20日号)
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