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  • 25.06.24

日本人の国内旅行活性化に焦点【令和7年版観光白書】

観光庁は5月27日、令和7年度版観光白書が閣議決定されたと発表した。昨年2024年の訪日外国人旅行者数は3687万人と過去最高を記録し、消費額も8兆1257億円に達した。一方、日本人の国内旅行者数はコロナ禍前の9割まで回復しながら、旅行経験率が伸び悩み、人口減少が進むことを踏まえた「日本人の国内旅行の活性化」を課題に挙げ、具体的な施策に取り組むとしている。

 

観光庁「旅行・観光消費動向調査」によれば、昨年2024年の日本人の国内延べ旅行者数は5.4億人で、2019年比8.2%減まで回復。このうち宿泊旅行者数は延べ2.9億人(2019年比6.0%減)、日帰り旅行者数は延べ2.5億人(同10.6%減)となった。

日本人の国内旅行消費額は25.1兆円で2019年比14.5%増、過去最高を記録した。訪日外国人旅行消費額の成長が著しいものの、全体でみると旅行消費額の7割超は日本人によって支えられている。

旅行需要の回復に伴い、観光関連産業の業績も回復傾向が顕著になっている。財務省「法人企業統計調査」によると、宿泊業の売上高はコロナ禍の打撃を受けた2020年4-6月期を期を底にして回復傾向が続いている。

日本銀行「全国企業短期経済観測調査(短観)」の雇用人員判断 D.I.(全国ベース)によれば、宿泊・飲食サービスは2021年12月を境にマイナスに転じ、2023年12月には―75になるなど、人手不足を感じている企業割合が高い状態が続いている。

労働生産性の低さ・賃金水準の低さも解消されていない。厚生労働省「賃金構造基本統計調査」によれば、宿泊業の年間賃金総支給額は2024年に390万円。全産業の水準である527万円を大きく下回っている。

 

白書では、日本人の国内延べ旅行者数や旅行経験率が長期的に伸び悩み、人口減少や少子高齢化が進む状況下では、国内交流の拡大に一層取り組む必要があるとしている。

観光庁「旅行・観光消費動向調査」によれば、国内旅行において観光目的は堅調に推移しているが、 帰省や出張等目的の回復は緩やかなこと、観光目的においては家族・親族を同行者とする旅行が約半数となった一方、友人との旅行は減少し、一人旅が増加傾向にある。

国内宿泊旅行経験率は若年層ほど高く、20代以下では64.0%だったのに対して、70代以上は30.7%にとどまり、旅行実施が二極化している。宿泊旅行実施のハードルは、60代以下は休暇が取れないことや家計の制約、70代以上は健康上の理由を挙げている。特に10代から50代の6割が主に休日に旅行をしており、旅行需要の平準化や現役世代のニーズに応じた柔軟な旅行スタイルの提案が求められる。
人口減少下で国内交流の拡大を図る取り組み事例として、観光庁は「何度も地域に通う旅、帰る旅等の推進」「ワーケーション・ブレジャー等の普及促進」「休暇取得・分散化の促進」「ユニバーサルツーリズムの推進」を挙げている。

 

(国際ホテル旅館2025年6月20日号から抜粋)