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- 本紙好評連載
- 25.09.22
第22回 最先端のDXを最短距離で 早期の実現と実装が重要【視点を増やして観光DXを加速】
思想が優れていてもシステムが機能しない
デジタル技術の活用においては「あるべき論」が先行し、実現が伴っていない事例が多いように感じることがあります。新規性はあっても既存技術の寄せ集めやマイナーチェンジに留まっていて、いわゆる進歩性に乏しい取り組みが「新しいもの」としてメディア等で紹介されることも少なくありません。
先日、JR高輪ゲートウェイ駅の近くにある次世代型コンビニエンスストアを訪れました。事前に聞いていた情報では、顧客のニーズに応じてサイネージに商品情報が表示され、商品を手に取ると関連情報が提示されるとのことでした。しかし実際には、その機能は稼働していませんでした。小売業界におけるデジタル技術は依然として試行錯誤の段階にあり、優れた発想であってもシステムが十分に機
能しなかったり、実際のニーっています。さらに滞在後には、お土産や手元に残したい飲み物・菓子類などの需要も考えられます。宿泊客・旅行者のニーズに合致しなかったりする例が見受けられます。
人手不足や生産性向上が社会課題となる中、さまざまな視点から挑戦すること自体は意義ある取り組みだと思います。宿泊施設でも、コンビニのような小売店舗は従来の売店の進化形として便利に活用されており、観光地においても生活必需品や食品だけでなく、地元のお土産やマリングッズなど、地域特性を反映した品揃えを展開しています。
いまやコンビニは小型スーパーとしての役割も担い、過疎化による地域小売店の閉業を補う存在となっています。
宿泊客のニーズに応じた柔軟な品揃えも可能に
この発想を宿泊施設に置き換えると、「滞在中」と「滞在後」に求められるものが見えてきます。客室に置かれるアメニティは、サステナビリティ意識の高まりを背景に、必要なものを購入してもらうスタイルも選択肢の一つになっています。さらに滞在後には、お土産や手元に残したい飲み物・菓子類などの需要も考えられます。宿泊客・旅行者のニーズに応じた柔軟な品揃えが、利便性や顧客満足度の向上に繋がることが期待できます。もし、この店舗運営が自動化できるのであれば、人手不足に頭を抱える宿泊施設の皆さんにとっては渡りに船となるでしょう。
しかし現状では、高度な技術の追求が運用の複雑化を招き、社会のスタンダードとして普及しにくくなっている印象を受けます。これでは利用者は技術の進歩を実感しにくいでしょう。今こそ課題にシンプルに向き合い、各社が開発すべき項目を共有し、それぞれの役割を明確にした上で共通のゴールを目指すことが重要だと思います。その積み重ねが早期の社会実装を実現し、より良いサービスの提供を通じて社会貢献度をさらに高めていくと考えます。
藤原猛氏(タップ ホスピタリティサービス工学研究所 所長)
(国際ホテル旅館2025年9月20日号)
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