TOP INTERVIEW

経営者に聞く

2030年にプラごみ0へ 組合全体で数値目標【滋賀県旅館ホテル生活衛生同業組合】

2030年にプラごみ0へ 組合全体で数値目標【滋賀県旅館ホテル生活衛生同業組合】

滋賀県旅館ホテル生活衛生同業組合(滋賀県大津市)は1月10日、「SDGs宣言」を発表。2030年に向けて①アメニティのプラスチックごみを0にする、②滋賀県産の食材の使用量を50%にする、③客室料金を2019年度比で20%引き上げる、という数値目標を掲げた。複数の同業事業者を束ねる旅館組合が、企業の枠組みを超えて共通の数値目標を設定するのは非常に珍しい試み。

宣言を発表するまでの経緯と今後の取り組みについて、同組合SDGs推進委員会委員長の前田義和氏(琵琶湖ホテル総支配人)に聞いた。

組合の企画運営委員会内に創設されたSDGs推進委員会が中心となって、組合員を対象にした意識調査やワークショップ型の意見交換会を複数回実施。プラスチックごみの削減や食品ロス、水質管理、エネルギー問題、経済成長と雇用など、組合員の中でも特に関心の高いテーマについて、専門家の講演や情報共有の機会を作ってきた。今回発表したSDGs宣言は、この流れの上で行ったもの。

「滋賀県は昨年7月1日、国連で採択された持続可能な開発目標=SDGsの琵琶湖版であるMLGs=Mother Lake Goalsを設定しました。これを受けて、滋賀県で宿泊業を営む私たちにも何かできることはないかを考えました。組合の理事会で話したところ、他の役員・理事の皆さんから組合全体で取り組むことに向けて賛同を得ることができ、まずは組合に加盟する宿泊施設181カ所を対象に意識調査を行ったところ、回答件数は70以上、うち48施設がMLGsに沿った活動を行うことに関心があると答えてくれました」

まずは活動に前向きな施設だけでも一緒にプロジェクトが推進できればと、企画運営委員会内にSDGs推進委員会を創設。この推進委員会のもと、昨年9月から数回のワークショップ型研修を行っている。

「加盟各社それぞれに考えがあると思いますし、短時間で全員の賛同・コンセンサスを得ることはできないと思います。だからこそ、まずは活動に積極的なメンバーだけでも先陣を切って取り組み、ファーストペンギンとなることが、新しい取り組みを進める上では大事だと考えています」(前田氏)。