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- 24.08.06
第7回 レベニューマネジメントのリカバリー②【令和の「レベニューマネジメント」新常識】
レベニューマネジメントは未来の需要予測を行うものですが、その予測は往々にして外れるものです。
この連載でも何度か触れましたが、今はインバウンドと国内の需要が完全に乖離していて、両者は予約の動き・傾向が大きく異なります。インバウンドは日本に一定期間とどまる長期滞在旅行者(特定の宿泊施設に長く滞在するという意味ではない)が多く、曜日の影響を受けにくい傾向もあり、それが需要予測をより難しくさせています。
こうした背景も踏まえて、前号で取り上げた「レベニューマネジメントのリカバリー」を考える必要が出てくるのです。
コロナ禍前なら、予約状況に予測との差異が発生した場合、定番の打ち手は「値下げ」でした。これを金科玉条のように頑なに守り続けた結果、収益機会を損なう原因にもなっていました。
その二の舞いを演じないために、どうすれば良いでしょうか。そこで提唱したいのが「Trinity-RevenueManagement」です。
現在、多くの宿泊施設ではレベニューマネージャーが価格をコントロールしています。その手法も、それなりに確立されていて、特に価格を上げるアップセルについては競合比較なども含めて適切な運用がなされていると思います。
一方、需要の読み違いがあった場合のリカバリーの方法は、まだ確立されていません。国内客の予約が好調でブッキングカーブも予測よりも早く上がっていくなら、価格もそれに合わせて上げていけばいいわけです。もちろん、そのうちの何割かはより高く売れたのかもしれませんが、それでも被害は最小限です。
逆に、予約日が近づくにつれてブッキングカーブが鈍化してしまった場合はどうすれば良いでしょうか。正直、値段を下げることには抵抗があるでしょう。かりにそれを実践してしまうと、高い値段で早く予約した宿泊客がその値段を知れば、宿に不信感を持つこととなりかねません。
値段を下げる言い訳として、「時短プラン」「レイトチェックイン」などの〝瑕疵プラン〟を作る方法もありますが、それもやがてネタが尽きます。
そこで重要なのが集客です。予約の入りが悪い日に、価格以外の要素で予約を集める集客の仕組みを構築するのです。
手段の一つが、会員制度です。メールやスマホアプリ等を使った会員へのダイレクトアクセスが可能になります。予約差異が生じたときも、何か特典のあるプラン・キャンペーンを会員に向けて発信することで、リカバリーを講じることができます。
そもそも、努力をしなくても予約がたくさん入る日については、客層の違いはさほど重要ではありません。それよりも、需要予測のミスがあった時に迅速な対策が講じられ、かつ会員客を明確にターゲットにしたプラン・キャンペーンを告知することで、需要を創出し、リカバリーに繋げられるのです。
実際のところ、レベニューマネージャーがこうした施策を打ちたいと思っても、会員制度の運用や組織の管理は別の部署で行われていることが少なくありません。そのため、臨機応変に対応できず、リカバリーの機会を逃してしまうのも課題です。
小林武嗣氏(C&RM社長)
(国際ホテル旅館2024年8月5日号)
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