TOP INTERVIEW

経営者に聞く

「答えは現場にある」即断即決即実行で挑戦【藤田観光】

「答えは現場にある」即断即決即実行で挑戦【藤田観光】

四季折々の景色が楽しめる日本庭園を擁したホテル椿山荘東京(東京都文京区)をはじめとするラグジュアリー&バンケット事業、宿泊主体型ホテル「ワシントンホテル」「ホテルグレイスリー」などのWHG事業、そして箱根ホテル小涌園(神奈川県足柄下郡)などの旅館やリゾートホテル等のリゾート事業と、多彩な事業を展開する藤田観光(東京都文京区)。昨年3月、代表取締役兼社長執行役員に山下信典氏が就任した。山下氏に同社の好調な業績と経営の考え方、そして新規事業の創造に挑戦する新しいプロジェクトについて聞いた。

**************************************************************************

――2024年度の業績は増収増益を見込む。

山下 海外セールスの強化が功を奏し、インバウンド需要が予想を上回る追い風となっています。このほか、WHG事業の「早起きしたくなる、朝ごはん。」プロジェクトなど、付加価値向上に向けた商品強化策なども収益力向上に寄与しました。前期の2023年度は新宿エリアをはじめとする東京都内の事業所が業績を牽引しましたが、2024年度は地方事業所のADRおよび稼働率も本格的に回復してきました。

当社は昨年2月、2028年度をゴールとする中期経営計画を策定しました。コロナ禍の経験を踏まえて、外的環境の変化に左右されない持続的な成長基盤の確立、人材の確保・育成、健全な財務基盤の構築を重点課題とし、それぞれの戦略を計画しました。

前半3年を基盤構築のフェーズに位置付けていましたが、このフェーズの目標値を当初の計画よりもかなり早い段階で達成する見通しが立ってきました。2025年度は次の収益拡大フェーズを前倒しして各施策に取り組みたいと思います。

――山下さんは昨年3月に社長に就任した。2020年4月にホテル椿山荘東京の総支配人に着任した際には「東京雲海」をプロデュース。関連企画も次々と立ち上げ、コロナ禍の最中ながら異例の大ヒットとなった。

山下 この日本庭園は、当社にとって唯一無二の価値を持つ資産です。その魅力を最大限に引き出した演出を行い、それに紐づいたプラン・商品をホテルの企画部門が中心となって次々と打ち出す流れを創り出しました。

社長に就任してからも、この考え方は当時と変わっていません。当社の資産を活かした価値を創造するための発想と企画を大切にすることと、そのアイデアを〝即断即決即実行〟で取り組むことです。

私たちの商売は「答えは現場にある」が鉄則です。まずはアイデアを実行してみて、その反応やレスポンスを見て次の一手を決める。仮にそのアイデアが上手くいかなかったとしても、すぐに次のアイデアを試せば失敗のダメージを最小限に抑えることができます。まずは挑戦してみる、スピーディーに動くことが大切だと思います。

(国際ホテル旅館2025年1月5日号から抜粋)