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経営者に聞く

「オーナー・オペレーター化」を推進【ポラリス・ホールディングス】

「オーナー・オペレーター化」を推進【ポラリス・ホールディングス】

ポラリス・ホールディングス(ポラリスHD、東京都千代田区)は、昨年5月1日付で「価値開発」から商号を変更した。2018年からスターアジアグループとの資本・業務提携など、抜本的な改革を進めてきた同社。不動産投資の実績豊富なスターアジアグループの視点をホテルオペレーションに生かし、コロナ禍の難局を乗り切っていく。代表取締役社長の梅木篤郎氏に聞いた。

ホテルオペレーターのポラリスHDとしてはコロナ禍は厳しい局面ですが、一方で、スターアジアグループにとっては新たな物件取得の機会でもあります。

事態が正常化すれば、日本は再び観光立国として発展すると予測しています。コロナ禍前に日本の観光立国戦略が飛躍的に成長したのは、世界的にも「安全」であることが要因の一つに挙げられます。日本は治安や政情の面で“安全”と評価されていますが、コロナ禍を経験したことで、衛生的なこと・清潔なことも評価されるとみています。

一方、ホテルの運営契約に目を向けると、固定賃料の賃貸借契約の課題が浮き彫りになっています。オペレーターにとって、固定賃料契約は、オーナーとの契約が進めやすい=出店展開を加速させやすいメリットがあり、活況時には収益拡大にも繋がりますが、今のように宿泊需要が蒸発すると、一転して大きな負担がのしかかります。

当社オリジナルブランド「KOKO HOTELS(ココホテルズ)」のMC(ホテルマネジメント)契約による展開を強化します。

当社グループがホテルの所有者兼運営者になる「オーナー・オペレーター化」も推進します。2020年10月開業のベストウェスタンプラス福岡天神南(福岡市中央区)が第一号案件で、ポラリスHDやスターアジアグループが出資するSPC(特別目的会社)が、昨年3月に同ホテルを購入。当社としてはSPCへの出資負担がありますが、固定賃料の支払債務が免除されるため損益分岐点の引き下げに繋がり、さらに需要回復時には利益の積み上げが期待できます。