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経営者に聞く

「リッチモンドホテルらしさ」は人が創る【アールエヌティーホテルズ】

「リッチモンドホテルらしさ」は人が創る【アールエヌティーホテルズ】

全国41カ所に「リッチモンドホテル」を展開するアールエヌティーホテルズ(東京都世田谷区)。宿泊特化型ながら接客サービスに力を入れ、宿泊客の満足度の高さに定評がある。外国人宿泊客の需要増加や宿泊ITの進化などで業界環境が変わるなか、代表取締役社長の福村正道氏は「当社らしさは『人』に行き着く」と断言する。

「ホテルは宿泊客に選ばれなければならないが、それ以前にスタッフに選ばれなければ成立しない。極論を言えば建物や設備の品質向上はお金さえかければできるが、人はそうではない。当社で働きたいと思ってくれる人がいる、今いるスタッフが当社で働き続けたいと思ってくれる。そういう会社であり続けなければならない、という危機感を持ちながら経営している。創業時から『CS(顧客満足)の前にES(従業員満足)』という考え方が根付いているが、人が育ち、仕事を通じて自己実現が図れる環境づくりをこれからも重視していきたい」(福村氏)

目下、宿泊業界では現場業務をテクノロジーに置き換えるという話も増えているが、福村氏は「テクノロジーとヒューマンは、今後、きちんとした切り分けが必要だと思う」と語る。

「先日、ある外部コンサルタントとこうしたテクノロジーの話をしていたところ、その人から『そうなったら、ホテル業って自動倉庫業みたいになるね』と指摘された。ヒューマンによるサービスは再現性や模倣性が低く、だからこそそこにオリジナリティが生まれる。宿泊特化型ホテルで生産性や効率を求めると、どうしてもテクノロジーに集約されがち。でも、それだと誰が運営しても画一的に感じられ、結局、立地や部屋の広さ、料金にしか違いを見出せなくなる」(福村氏)