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ご当地素材を取り入れたアメニティ【ウェルネス・アリーナ】

ご当地素材を取り入れたアメニティ【ウェルネス・アリーナ】

ウェルネス・アリーナ(東京都渋谷区)は、6月、同社のスパブランド「ALL THAT SPA(オールザットスパ)」から、ホテルアメニティシリーズ「ALL THAT SPA Setouchi Citrus(オールザットスパセトウチシトラス)」を発売した。

シャンプー・コンディショナー・ボディウォッシュの3品を展開。いずれも瀬戸内広島レモンの精油が使われている。バランシングシャンプーとモイスチャライジングコンディショナーは爽やかなハーバルシトラスの香りで、リラクシングボディウォッシュは上品なシトラスフローラルの香り。2種の異なる香りがバスルームで合わさり、上質なリラックスタイムを演出する。使い心地や洗い上がりの感触にもこだわった。年齢や性別を超えて支持される爽やかさやすっきり感を最大限に引き出した。

原材料の瀬戸内広島レモンは、国産レモンの半数以上のシェアを占める(平成27年農林水産省)。防腐剤やワックスを使わず、減農薬・無農薬栽培の安心・安全なレモンとして知られる。本製品には、このレモンの果皮を地元で蒸留した精油を配合した。製品化にあたっては、レモンの生産地である広島県内のホテル、グランドプリンスホテル広島(広島市南区)も協力。試作品をスタッフに使ってもらい、意見を聞いて香りや質感を見直したり、最適なロット数や単価を調整したりといった試行錯誤を何度も繰り返したという。

もともと、瀬戸内広島レモンの精油の活用策が企画の出発点だったという本製品。梶川貴子社長は、地域振興やサステナビリティなどの観点からホテルアメニティの可能性は大きいと語る。

「かつて日本は精油の輸出大国だった。化学品の普及でいったん下火になったが、今、地方創生の潮流から精油製造が見直されている。セトウチシトラスはこれ自体が完成度の高い製品となったが、製造量や価格設定など、生産者・ホテル・宿泊客の全てにとって持続性のあるモデルを構築する機会にもなった。今後はこれを活かした『ご当地アメニティ』の展開も視野に入れている」(梶川氏)