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経営者に聞く

宿泊客の「体験」をデザイン【ゲンスラー】

宿泊客の「体験」をデザイン【ゲンスラー】

ホテル1899東京(東京都港区)など、特徴的なコンセプトや空間で人々を惹きつけるホテルを次々と世に送り出しているゲンスラー・アンド・アソシエイツ・インターナショナル(東京オフィス:東京都港区)。

1965年に米国・サンフランシスコで創業し、世界48カ所に事務所を構え、6500人を超えるスタッフを擁し、3500件以上のクライアントを抱える世界最大規模の建築設計事務所だ。日本では1993年に事務所を開設。オフィスや商業施設、ホテルなどの設計、ブランド戦略、プロダクトデザイン、戦略コンサルティング、デジタルエクスペリエンスと多岐にわたるサービスを提供してきた。

ホテルにおいてはシニアデザイナーの渡邉雄大氏や、アソシエイト、シニアデザイナーの黒川梨江氏らが、特徴的なコンセプトを持った新規開業ホテルの設計デザインやブランディング、商品・プランデザインなどを手掛けている。

2018年、東京・新橋にオープンしたホテル1899東京も、同社がブランディングと戦略策定、空間デザインなどを同社が担当。同ホテルは創業120年、ホテル・レストランの老舗である龍名館(東京都千代田区)グループが経営・運営し、「現代的に解釈された茶屋体験」をテーマに、館内のあらゆる空間で「お茶」を楽しめる体験が叶う。

ホテルへの宿泊・滞在を通じてミレニアル世代を中心とする若者たちや日本茶に触れる機会が少ない外国人などが、お茶が身近にあるライフスタイルを体験できる場として計画が進められた。

客室デザインは和モダンを基調に、畳や縁側をイメージした小上がりを設け、茶道具をモチーフにした備品なども採用。お茶を飲むだけでなく、五感で日本茶をより身近に感じられる空間を目指した。

2階ロビーは茶室をイメージしたロビーカウンター。コンセプトは「庵」で、宿泊客はチェックイン手続きのかたわら、ソムリエならぬ”茶バリエ”による本格的なお茶の提供を楽しめる。

1階にはお茶を使ったメニューを多数揃えたデリカフェを設けた。コンセプトは「縁側」で、道路面に大きな開口を取り、開閉可能なストアフロントなど、明るく開放的な環境とした。