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コロナ禍でも出店計画 手を緩めず推進【ヒルトン】

コロナ禍でも出店計画 手を緩めず推進【ヒルトン】

2021年12月現在、世界122の国・地域に6700軒以上、100万室以上のホテル・リゾートを展開する世界最大級のホテルチェーン、ヒルトン(米国バージニア州、日本:東京都新宿区)。日本では最上級ラグジュアリーブランド「ウォルドーフ・アストリア」をはじめ、幅広いスケール・ブランドの新規出店計画を相次いで打ち出している。日本・ミクロネシア地区開発担当副社長の藤本博久氏は「旅行に対する意識が本質的に失われたとは考えていない」とし、開発推進の手を緩めない考えを示した。

ヒルトンの最上級ラグジュアリーブランド「ウォルドーフ・アストリア・ホテルズ&リゾーツ」は、2026年開業予定の東京日本橋に加え、2025年には大阪への開業も予定している。このウォルドーフ・アストリア大阪を含む開発事業では、ライフスタイルブランドのキャノピーbyヒルトン大阪梅田も2024年開業を予定している。これらはいずれも、各ブランドで国内初の計画となる。

今年2022年はヒルトン広島(広島市中区)とヒルトン・ガーデン・イン京都四条烏丸(京都市下京区)、2023年にはダブルツリーbyヒルトン富山(富山県富山市)とヒルトン沖縄宮古島リゾート(沖縄県宮古島市)、ヒルトン横浜(横浜市西区)の開業が控えている。

藤本氏は「日本国内の開発・出店計画の方針は変わりません。主要都市をはじめ、地方都市やリゾートも対象に、すでに発表した日本未進出ブランドの開発計画も含めて様々なブランドで出店を検討します。特に今後、日本での成長が期待されるのが、LXRホテルズ&リゾーツ、キュリオ・コレクションbyヒルトン、タペストリー・コレクションbyヒルトンといったソフトブランドです。ホテルの独自性を尊重するという考え方のもと、ソフトブランドは欧米で急成長しています。日本の市場にも馴染みやすく、特にLXRやキュリオは旅館とタッグを組み、近い将来出店する可能性もあると思います」と語る。

(編集部注 ソフトブランド…ホテルが本来の名称やデザイン、コンセプトなどの独自性を持ちながら、ホテルチェーンの系列として会員組織や送客基盤などが利用できるブランド)

既存ホテルや計画中のホテルのM&Aや運営会社変更が相次いでいる、藤本氏は「現在、ヒルトンが日本で営業する19ホテルのうち、8ホテルがリブランド。リブランドの豊富な運営実績は当社の強みの一つです。当社が展開するブランドのスペックと合致する案件があれば検討したいですが、最近は宿泊特化型ホテルの問合せが多く、当社ブランドとはあまり馴染まないと感じています」と語る。