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ホテル・旅館の事業再生支援チーム発足【ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ】

ホテル・旅館の事業再生支援チーム発足【ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ】

ソラーレホテルズアンドリゾーツ(東京都港区)は6月8日、国内の宿泊経営を支援する「事業再生支援チーム」を発足。1カ月あまりで全国45件ほどの宿泊施設に関する相談が寄せられている。国内外53カ所のホテル運営などで確立した実績を活かし、運営会社の変更を伴う事業再生や承継支援だけでなく、運営会社を変えずに収益向上を図るための運営支援や送客支援なども行う。

事業を立ち上げた取締役副社長・事業開発統括本部本部長の髙野瀬明郎氏は「コロナ禍で当社も宿泊需要の急減に直面。様々な手を打ち、事業継続の目処が立ったが、業界を巡る環境は依然として改善されず、むしろこれから逼迫する事業者が増えるのではないかと危惧した。当社の実績が宿泊施設の事業継続、ひいては社会貢献に繋がるのであればと考え、外部のホテル・旅館を支援する取り組みを始めることとした」と語る。

同社は近年「hotel androom」「the square hotel」など新規ブランドの開発・展開に力を入れてきたが、過去にはM&Aや事業承継も多数手掛けてきた。今回、重要な社会課題解決の取り組みになるとして、改めて特任チームを立ち上げた。

「宿泊業は業務における人材の依存度が特に大きく、営業を続けることは従業員の雇用や生活を守り、関係先や取引先の事業の維持・発展にも繋がることから、地域経済に大きな影響力を持つ。不動産としての規模も大きく、その存在自体が地域に活気や安心感をもたらすという側面もある。その灯りを絶やさぬことが社会的にも意義があると考えている」(髙野瀬氏)

依頼・相談元から同社が評価されている点については「多様な業態の運営実績と、当社の運営ホテルにはREITがオーナーとなっている物件が複数あることだと思う。REITというスキームの特性も相まって、第三者の保有物件を多数扱っていることが『信頼できるオペレーター』という評価を得られているように思う」としている。