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ライフスタイルの変化に対応した宿泊経営【プリンスホテル】

ライフスタイルの変化に対応した宿泊経営【プリンスホテル】

新業態「プリンス スマート イン」の1号店の開業や、海外展開の最上級ブランド「The Prince Akatoki」の2号店オープンを控えるプリンスホテル(東京都豊島区)。代表取締役社長の小山正彦氏は、同社を「世界のプリンスホテル」へと導くべく、経営計画を推し進めている。

 

小山氏は訪日外客の増加に加えて「国内企業の『働き方改革』」に着目。「余暇の時間が増えるだけでなく、出張先で観光も楽しむブレジャー(Bleisure)や休暇中に旅先でリモートワークするワーケーション(Workation)など、ビジネスと余暇のあり方も変わり、宿泊施設へのニーズも変わっていくだろう」と語る。

「私たちはライフスタイルの変化にどれだけ敏感に対応できるかが問われている。今後は休みの過ごし方を産業として捉え、宿泊業界・レジャー業界という括りではなく『休みの過ごし方産業』のようなものになるかもしれない。様々な目線の発想が必要になる」(小山氏)

今年1号店が開業予定の「プリンススマートイン」は、デジタルやテクノロジーを活用した宿泊サービスを提供。次世代の宿泊ニーズに応えるブランドとして企画する。主要顧客層に想定するミレニアル世代にとって泊まりやすい料金を指向するが、価格競争とは一線を画し、この世代に支持される価値の提供にも力を入れていく。

「館内にはレストランを必要最小限に設置し、周辺の飲食店や施設を利用してもらうことで地域との連携を図る。また、アメニティの一部は宿泊客に用意していただくかもしれない。サービスの効率化と同時にごみや排出物の削減に繋げたいという目的がある」(小山氏)