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経営者に聞く

人材育成とICTでホテルサービスをさらに進化【三井不動産ホテルマネジメント】

人材育成とICTでホテルサービスをさらに進化【三井不動産ホテルマネジメント】

三井不動産ホテルマネジメント(東京都中央区)の代表取締役社長に、4月1日付で就任した雀部優氏。三井不動産ホテル・リゾート本部でアマネム(三重県志摩市)やハレクラニ沖縄(沖縄県国頭郡)など、世界的リゾートブランドの日本誘致を手掛け、昨年1月からは運営会社社長としてリゾート運営の陣頭指揮も取った。

「リゾートのスタッフに求められる人間力は当社のスタッフも備えており、宿泊主体型ホテルにおいてもホスピタリティの品質を高められると思います。就任以来、各地の拠点に足を運んでいますが、スタッフのホスピタリティへの意識やモチベーションの高さはリゾートにも勝るとも劣らないレベルです」(雀部氏)と語る通り、ホテルマネジメントにおいて最も重視することに「人材」を挙げる。

「当社には約800名の社員とほぼ同数のキャスト(パート社員)が在籍しています。それぞれの職務やポジション、経験年数などに応じたきめ細かな研修を行うなど、スタッフが成長する環境づくりの整備に力を注ぎ、当社の理念である『記憶に残るホテル』をスタッフ一同目指してまいります」(雀部氏)

ICTを活用した運営にも力を入れる。

「新ブランドsequence(シークエンス)には顔認証システムを導入するなど、各ホテルのコンセプトや客層に対応した機能を導入しています。大浴場を併設しているホテルには混雑状況を各客室のテレビインフォメーションからリアルタイムで確認できるシステムを順次導入しています。今後は過去の宿泊履歴データを全ホテルで共有し、次の予約時に新たな価値を提供できるよう検討をしています。ロイヤルカスタマー・リピーター施策も強化し、具体的な仕組みづくりも今年度中の正式発表に向けて準備を進めています」(雀部氏)

「コロナ禍を機に価値観が大きく変化し、安心・安全・清潔への取り組みや社会貢献や地域貢献の重要性が高まっています。私たちが今まで思いつかなかったようなニーズを掘り起こすチャンスでもあると捉え、知恵を絞る日が続いています」(雀部氏)。