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各地で実践「地域共創プロジェクト」【オリックス・ホテルマネジメント】

各地で実践「地域共創プロジェクト」【オリックス・ホテルマネジメント】

オリックス・ホテルマネジメント(東京都港区)は、昨年2021年5月から「地域共創プロジェクト」を始動した。

第一弾として、会津若松市・京都市・別府市で映画やテレビ番組などのロケを誘致。別府温泉杉乃井ホテル(大分県別府市)では人気バラエティ番組の収録を行ったほか、昨年2021年12月1日に建て替えのため閉館したHana館では映画の撮影なども行った。
お祭りや会合など、地域の人が集まる場に参加して関係を構築することもプロジェクトの一環。2020年10月に開業した箱根・強羅佳ら久(神奈川県足柄下郡)のスタッフは、箱根を代表する祭り行事の一つ「箱根箱根強羅 大文字焼」の点火準備に参加した。

同社グループの運営施設が所在する域内の企業や自治体などと連携し、新たな観光資源の発掘・創出を行うことで、地域と施設の長期的なブランド価値向上を目指す取り組み。傘下の21施設毎に専任の担当者を任命し、地域活性化に繋がる様々な取り組みや渉外活動を行うもの。
立ち上げに際しては、全施設の担当者に研修を実施。外部講師を招き、担当者同士で意見を出し合いながらアイデアの発想方法やプロジェクトを実行に移すための思考や行動などを学んだという。

立ち上げの背景について、取締役社長の似内隆晃氏は次のように語る。

「施設の集客と一口に言っても、その地域が魅力的でなければ訪れたいと思う人はいません。また、地域の観光振興や魅力向上に向けて一施設・企業が行動しても、単独での取り組みには限界があります。企業や施設の枠組みを超えて連携することが、特に観光振興においては重要だと感じていました。とはいえ、地域によって事情は異なるので、本社主導で画一的な対応はできません。そこで、本社スタッフは後方支援に徹し、各地のスタッフが主体的・自主的に取り組むプロジェクトを始動することとしました」と語る。

オリックス・ホテルマネジメントは、2020年4月、オリックス不動産グループの施設の運営会社を統合する形で発足。この発足の目的の一つに、社員に様々なキャリアプランが描ける環境を用意することがあるという。似内氏は「一つの施設や地域に根差して働く道もあれば、全国各地のホテルや旅館でキャリアを重ねる道、あるいは本部でバックオフィス業務を担当する道もある。今後、社内の人材交流がより活発になるよう、労務面の環境整備を進めている」と語る。

(写真:昨年12月に閉館した別府温泉 杉乃井ホテルHana館)