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経営者に聞く

国内で40を超える宿泊施設が認証取得【グローバル・サステナブル・ツーリズム協議会(GSTC)コン・スヒョン氏】

国内で40を超える宿泊施設が認証取得【グローバル・サステナブル・ツーリズム協議会(GSTC)コン・スヒョン氏】

GSTC(Global Sustainable Tourism Council)は、サステナブルツーリズムに関する国際スタンダードを策定・管理する国際非営利団体。2007年に UN Tourism(旧 UNWTO、世界観光機関)や UN Foundation(国連財団)、UNEP(国際連合環境計画)など、国連関係機関を中心とした32団体の連携により設立された。GSTC が認定する認証機関は世界に21あり(観光産業、デスティネーションの合計。9月15日現在)、世界89カ国496の組織会員と101カ国129名の個人会員を擁する(今年4月現在)。設立の背景と日本市場の現状などについて、Futures Lab Senior Research SpecialistでJapan DirectorのDr. Kwon Soohyun(コン・スヒョン氏)に聞いた。

 

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――GSTCが直接、事業者や組織・団体を認証するのか。

コン いいえ。GSTCは各国・地域の「認証機関」を審査し、認定する役割を担っており、事業者や組織・団体の認証は認証機関が行います。日本でも様々なGSTC認定認証機関が活動しています。

GSTCの認定を受けることは、認証機関としての信頼性保証につながります。現在、GSTCが認定した認証機関は観光産業向けで18、デスティネーション向けで3あり、候補も複数控えています。

 

――GSTCは具体的にどのような活動を行っているのか。

コン 大きく5つあります。①各国・組織の基準がGSTCスタンダードに準拠しているかを確認し承認する「スタンダードの承認」、②認証機関を審査し認定する「認証機関の認定」、③持続可能な観光に関する知識・能力向上を支援する「研修プログラムの提供」、④グローバルカンファレンスなどを通じた「メンバーシップ」活動、⑤地域の持続可能性の現状を評価する「デスティネーション・アセスメント」です。

 

――GSTCスタンダードの基準は国や地域で異なるのか。

コン 基準自体は世界共通です。現在、ホテル、ツアーオペレーター、デスティネーション(地域)、MICE、アトラクション、フード&ビバレッジの6分野のスタンダードが作られており、いずれも「A:持続可能なマネジメント」「B:社会経済」「C:文化」「D:環境」という4つの柱で構成されています。

ただし、認定や認証の取り扱いは国・地域によって異なります。

例えば、ヨーロッパの認証機関は公的な機関からの認定が必須で、国の認定機関がGSTCと協定を結び連携するケースもあります。また、トルコは2030年までに全ての宿泊施設にGSTC認定機関による認証取得を義務付けているほか、シンガポールでも観光局とホテル協会が2025年までに客室の60%で国際認証取得を目指す目標を掲げ、すでに70%を達成するなど、政策としての後押しも進んでいます。

――サステナビリティへの関心はBtoCとBtoBのどちらで強く働いているか。

コン 欧州では個人客の意識も高いですが、一般的には最終消費者への浸透は簡単ではありません。むしろESG経営の一環として、出張旅行における滞在先やサプライヤー選定において認証取得施設を優先するBtoBの動きの方が顕著です。認証は自己申告ではなく第三者検証を伴う点で、関係先・取引先への明確なエビデンスにもなります。

サステナビリティへの関心が高い個人に向けては、世界的OTAのBooking.comやTrip.comが第三者認証取得施設を検索画面でハイライトする仕組みを設けており、消費者が選ぶ際の参考にできます。

 

(国際ホテル旅館2026年9月20日号から抜粋)