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経営者に聞く

地域のショーケース・インキュベーターとなる宿泊施設【温故知新】

地域のショーケース・インキュベーターとなる宿泊施設【温故知新】

オールスイートのスモールラグジュアリーホテルである瀬戸内リトリート瀬戸内青凪(愛媛県松山市)や、玉野競輪場内に新設されたKEIRIN HOTEL 10(岡山県玉野市)など、個性的な宿泊施設を国内各地で運営する温故知新(東京都新宿区)。デスティネーション=旅の目的地として、その土地の活性化や振興に貢献する宿になるというビジョンのもと、個別のコンセプトを打ち出す。

代表取締役の松山知樹氏は「温故知新を創業したのは2011年2月。もともと大手リゾート会社でホテルや旅館の再生・リブランドを担当していた経験から、ブランドの基準にホテルや旅館を当てはめることとは真逆のこと、具体的には、ホテルや旅館が持つ個性、あるいはその土地の個性を反映した宿泊サービスの提供に挑戦したい思いがありました。創業当時は既存の旅館・ホテルの事業再生支援を手掛けていたこともあって、施設運営事業がメインとなった今も、一つひとつの案件に対して独自の事業計画やブランディングを企画できることが当社の強みです」と語る。

「様々なことに挑戦し、宿の魅力を磨き続ける努力をすることで、運営施設もまた進化を続けられると考えています。例えば、瀬戸内リトリート青凪では、ある時にはお茶会を、また別の時にはDJブースを設置するなど、本当に様々な館内イベントを試みてきました。『宿泊施設を継続して磨き続ける集団』であることも、当社内に共通する理念。私たちにとっては開業がゴールではなく、むしろ開業がスタート。ブランドというスタンダードを持たずに運営しているからこそ、究極的な話、途中で施設のコンセプトを変えることさえ厭わないです。世の中の変化にいち早く対応することで生き残るためにも、自由度をもった運営を続けていきたいと思っています」(松山氏)。