JR東日本グループでホテル事業を担う日本ホテル（東京都豊島区）。今年、主要ブランド「メトロポリタンホテルズ」「ＪＲ東日本ホテルメッツ」が各地で新規開業を予定している。さらに、東京・竹芝に新ブランドのラグジュアリーホテル「メズム東京、オートグラフコレクション」もオープンを控えている。

里見雅行社長は「拠点数が拡大するからこそ、ブランドの運営力が重要になる」と語る。

「ホテルは利用客の反応が直接得られる、まさに『お客さまから教えていただく』機会が多い。アンケートやクチコミなど、評価の良し悪しに関わらず正確に把握し、褒められたことは全員で共有する、お叱りやご要望は一つずつ担当部署で検討して改善の手を打つ、ということに日々取り組んでいる。こうした具体的な共有と改善の積み重ねこそが『おもてなし』の持続的なレベルアップに繋がると考えている」（里見氏）

主要ブランドのメトロポリタンホテルズとＪＲ東日本ホテルメッツは、ブランドコンセプトとロゴをリニューアルした。同社ではスタッフの意思統一を促すため、ブランドコンセプトの基礎となる「ブランドプロポジション」も用意した。

「ホテルでこう過ごしていただきたい・滞在を通じてこういうコンディションになっていただきたい、という理想を実現するために、私たちはどういうサービスを提供すべきか、そのためにどう行動すべきかを具体的に考える上での基盤としている。これは日々の運営はもちろん、開発計画を進める上でも基礎となるもの。時代の変遷につれて具体的なサービスは変わるかもしれないが、ブランドプロポジションに込めた想いは普遍的なものになる」（里見氏）

「いずれのブランドでも重視している要素の一つが『地域性』。メトロポリタンは出店する土地の文化や歴史、食の魅力など、その場所でしか提供できない滞在体験を追求する。ＪＲ東日本ホテルメッツも飾らない上質をテーマに掲げる中で、この上質を実現するために地域性を積極的に取り入れる。現在計画中のＪＲ東日本ホテルメッツ桜木町（仮称）は、日本の鉄道発祥の地であることにちなんだホテルを計画している」（里見氏）