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経営者に聞く

魅力的な宿泊体験の提供を【三井不動産ホテルマネジメント】

魅力的な宿泊体験の提供を【三井不動産ホテルマネジメント】

今年1月1日現在で30ホテル7837室を展開する三井不動産ホテルマネジメント(東京都中央区)。今年は1月24日に三井ガーデンホテル六本木プレミア(東京都港区)、6月25日に三井ガーデンホテル豊洲ベイサイドクロス(東京都江東区)と、都心部で開業が続く。運営規模1万室達成が照準圏内に入ってきた。

「今年は札幌・福岡などでも新規開業を控えているが、当社の母体・三井不動産による街づくりプロジェクトの宿泊機能として、三井ガーデンホテルが出店するケースが増えてきた。三井不動産にはその土地の歴史や由縁を継承し、現在の文化と連携することを重視する姿勢があるが、三井ガーデンホテルズはそういった土地のストーリーをインテリアやサービスに昇華させるなどして地域に根差したホテルとなることを目指している。『神宮外苑の杜』や『豊洲』のようにオーナーの思いを引き継いで一緒に街づくりを進めるケースもある」(代表取締役社長・足立氏)

現在の宿泊市場は一部供給過多とされるエリアもあり、市場環境は決して良いとは言えない。それでも、足立氏は「宿泊の需給バランスは常に変動するという前提で考えなければならない」と語る。

「2020年に向けて整備された都市インフラやサービスは、それ以降のレガシーになることは間違いない。五輪終了後も訪日外客は引き続きいらっしゃるだろうから、旅行者の滞在にそれらのレガシーが重要な役割を担うだろう。私たちホテル事業者としては現場の運営、より具体的には『担い手』の問題がより深刻な課題になると考えており、その対応の一つとしてICTの導入をプロジェクトチームを組んで進めている。RPA(業務の自動化ツール)や電子レジカード、パスポートリーダーなど、予約の段階から情報を効率的に取り扱う手段が増えており、膨大な実績データの分析に基づいた改善のヒントやロイヤルカスタマーへの対応強化など、色々なことに活用したいと考えている」(足立氏)